茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

茶道具 -建水-

2006-08-23 23:50:24 | 茶道具
 建水について。最初は台子皆具のひとつだったが、のちに独立して茶席の中で茶碗をすすいだ水やお湯を捨てる器になりました。
 素材は、唐銅、砂張、陶磁器、木地(白木、塗り)がある。
 特に決まった形はありませんが、七種建水と呼ばれる昔からの形のものがあります。大脇差、差替、棒の先、槍の鞘、瓢箪、餌畚、鉄盥。
他に、合子、曲建水など。
 建水を使用する際は、木地は全体を水で濡らしてふき、柄杓も同様に濡らして仕込みます。柄杓は乾いていると建水から滑り落ちてしまうので、きちんと濡らして拭き使用します。

七種建水について。
大脇差(おおわきさし):利休様愛用の形。いつも腰の傍らに置いたために脇差を連想して名づけられたという。
差替(さしかえ):大脇差の小形。
棒の先(ぼうのさき):篭や輿の担ぎ棒の先端につける金具の形。
槍の鞘(やりのさや):槍の穂先にかぶせる鞘の形。円筒形で寄せ口であるため、蓋置は吹貫のものを柄杓の柄に刺し通して持ち出す。
瓢箪(ひょうたん):瓢箪の形。
餌畚(えふご):鷹匠が用いる餌入れに形が似ていることから。袋の形をして、上の方が開いている。建水以外にも茶入や水指・花入などでもある形。
鉄盥(てっぱつ):浅くて低い平建水。托鉢僧が施食を受ける鉢から。

 合子(ごうす)は、本来は蓋物の容器のことを差しますが、建水では蓋物の身の方の形を差している。

 曲建水(まげけんすい)は、木地を丸く曲げて作った建水。武野紹鴎が巡礼の持っていた飯盒から思付いて水屋用としたのを、利休様が茶室の中で使用したのがはじまりといわれている。木地のままが正式だが、塗曲(春慶塗・溜塗)もある。
 曲建水は綴じ目を前にして使います。茶の世界では、“丸前角向こう”という決まり言葉があり、丸のものは綴じ目を前に、角のものは閉じ目を向こうにして使用する。真の点前になるとそれが反対になります。

 建水、あまり目立たない道具ですが、様々なものがありますね。一番驚いたのは、千家十職の黒田竹玄氏の作品で太い竹をくりぬいて作った建水を拝見した時でした。
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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
建水 (m-tamago)
2012-03-14 21:13:53
ぴゃるママさん、はじめまして、でしょうか。
突然御質問だけ頂いてびっくりしております。
どのような意図でサイズをお尋ねでしょうか。
建水のサイズをお知らせするのは簡単かもしれませんが、聞いて終わりではなく、自分で調べた方が自分の中に知識として蓄積されるかと思います。実際に測るなり、調べるなり、一度トライなさって頂けたらと思います。





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建水 (ぴゃるママ)
2012-03-07 10:19:31
利休型木地曲げ建水のサイズを教えてください。
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ひょうたん (m-tamago)
2006-09-18 20:39:28
あなおさん、ありがとうございます!!

きちんと突き詰める姿勢、見習わなくては。

大きいのがひょうたんで、小さいのがたんぴょうですか~。なるほど。テキストの添付もありがとうございました。

皆様、図も載っていますので、是非拝見してお勉強してください。

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ひょうたん (あなお)
2006-09-18 10:34:01
再度の書き込み。

稽古場に 2種類のひょうたんのような建水があり

先生に尋ねた所。

上が大きいのがひょうたん。

上が小さいのがたんぴょう。だと言われました。

淡交テキスト12月号(平成13年12月)茶の湯お稽古必携を見ると。そのように書いてありました。

URLにUPしておきます。

必要の無い知識ですが、気になると気になる(笑)
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こぼす (m-tamago)
2006-08-29 20:29:08
雨点さん、こんばんは。

捨てることをほおるというのは聞きますね。水投げ場とは初めて聞きました。それはびっくりするかも。



建水に水をこぼすとも言いますね。

建水自体をこぼしと呼んでいたことがあったのですか、それは初耳です。

なるほど、建水に入れる水は汚いのではない、捨てるではないってことですか。



根竹の水指って、竹をくりぬいているのですか?それは大胆でどっしりしたものでしょうね。

以前正玄さんの胡麻竹で出来た水指を見ましたが、とても美しいフォルムでした。もちろんお値段も破格でした!!

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こぼし (雨点)
2006-08-28 21:34:02
建水に水を捨てる



学生時代後輩に教えていて 建水に水投げて



後輩きょとんとしていました



北海道では水投げ場 ゴミ投げ場 

ゴミ投げないでください



捨てる=投げる  ほおるっていうところもありますよね



建水 古くは こぼし といってたそうです

お茶碗清めた水 捨てるのではない

今は蛇口ひねるとジャー

昔は水も貴重なもの であった 



水をこぼす という心持ちなのでしょうねぇ





竹の建水 は見たこと無いですが

炭屋で 根竹の 水指は見たことあります
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はじめまして! (m-tamago)
2006-08-27 21:45:13
あなおさん、はじめまして。

私もりんずさんの所ではお名前拝見していました。

今後とも宜しくお願いします。



ご指摘ありがとうございます。

ひょうたんの漢字、そうでしたか!知りませんでした!!さかさまに使うのは知っていましたが漢字も逆さまに?

なるほどー。

自分の持っている本をひっくり返しましたが、ひらがなで”ひょうたん”とありました。漢字で表記するには箪瓢と書いたら間違いと思われるからかもしれません。

またお気づきのことありましたら教えて下さい。

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ここでははじめまして! (あなお)
2006-08-27 12:27:08
りんずさんの所から伺いました。

見過ごせばいいのですが、

内容の濃い記事を書かれているので、若輩ものですが

気になった事。

瓢箪の建水とありますが、逆さまに使うと言う意味からか、箪瓢と呼ばれていると聞いています。

(但し、淡交テキストお道具必携12月号には、両方記載されています。)

直メールわかりませんので。ここで失礼します。

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建水大好き (m-tamago)
2006-08-25 10:32:59
スジャータさん、こんにちは。



>水が入るので重くならないように

着物の袖がするりと入らないように

目立ちすぎないように

それでいて存在感があるように

などなどけっこう気を使って作ります。

なるほど。そういうことまで考えつくされて作られた建水はいいですね。飛翔さんのところでもいい建水が使われていましたね。



>修行中 師匠の所に大亀老師が来られて

すごい、豪快ですね!いいお話を聞かせていただきました。こういう逸話は本当に生きた経験って感じで嬉しいです。

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てっぱつ (m-tamago)
2006-08-25 10:29:18
藍♪さん、大徳寺は秋の特別拝観でないと入れない塔頭もありますよね。

私は未だじゅこう院には行ったことがなく。。。いつか。



泉仙の鉄鉢料理ですね!全部食べ終わると器が重なってきれいですよね。
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建水 (m-tamago)
2006-08-25 10:23:52
mineraさん、槍の鞘建水は私は使ったことがありません。柄杓の柄に差して使う、独特ですね。



>「丸前角向こう」はいろいろ使えますね。

そうですね。こういう言葉が茶道にはあって聞く度におおすごいと感動してしまいます。

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建水 (m-tamago)
2006-08-25 10:21:00
わかさん、こんにちは。



>黒田正玄作の竹の建水は素敵ですよね!

本当に素敵ですよね。私も初めて見た時は感動しました。竹といえば、茶杓、蓋置くらいのイメージしかなかったので。。。。。



>建水は陰の道具ですが、良い物が出てくると「おお!!」と目を奪われますね。

本当に。感動しますね。
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建水 (m-tamago)
2006-08-25 10:19:05
チャチャさん、こんにちは。

建水は普段客からも見えなくて本当に地味なお道具ですが、大事なものですよね。お湯を捨てることができなきゃお茶が点てられない!

折りたたんだ葉蓋が浮いた姿は結構好きです。



>ふきんでなく、雑巾でふかれ、ちょっと、可愛そうに思えてしまうのは,私だけ?

確かにかわいそう!!でも清潔な雑巾で拭いてあげてます。
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驚き! (m-tamago)
2006-08-25 10:16:23
ジジのママさん、こんにちは。

建水、私もつい同じものを使ってしまいます。

個人的にはエフゴが好きです。ベーシックで使いやすくて。



>黒田竹玄氏の作品で太い竹をくりぬいて作った建水

 ↑一度、拝見してみたいものです。

なかなかいいですよ。でももったいなくて使えないかも!



いつもブログ見て下さって、コメントくださりありがとうござます。

これからも宜しく。

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建水大好き (スジャータ)
2006-08-24 21:00:01
建水は大きさも形もけっこう自由に作れて

おもしろいです。

水が入るので重くならないように

着物の袖がするりと入らないように

目立ちすぎないように

それでいて存在感があるように

などなどけっこう気を使って作ります。



修行中 師匠の所に大亀老師が来られて

水指を舌でなめながら(焼き〆でしたので濡れたところを

見たかったからでしょう。豪快な方でしたぁ)

これはまず建水に使おう。とおっしゃいました。

建水に使っていって渋みが出たところで位上げをして

水指に使われるということでした。



建水の話題に昔の事をちょっと思い出しました♪
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てっぱつ・・・ (藍♪)
2006-08-24 13:50:30
確か、時間があまりなくて全部みれなかったんですが、大徳寺を見学させてもらったときに、

家族全員おなかすいてて、すぐ隣の

てっぱつ料理?のお店を大徳寺の受付の方に

教えていただき、たべてきました。

そのときに初めててっぱつ?

っていう容器をみたので鮮明に覚えてます。。

あれを建水につかうんですか~~

すごいですねぇ。。

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建水大好き (minera)
2006-08-24 10:20:09
私は槍の鞘建水が好きです。

一緒に使う駅鈴のあの音がたまらないです。

槍の鞘の形で建水にしてしまうなんて

本当にすごいと思います。



「丸前角向こう」はいろいろ使えますね。

縁高も角のものと丸のもで綴じ目の向きが逆ですものね。

これを覚えればあたふたすることはありませんね!

真では逆というもの今後必要になってくるかと思います。

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建水 (わかさん)
2006-08-24 09:14:53
黒田正玄作の竹の建水は素敵ですよね!



建水は陰の道具ですが、良い物が出てくると「おお!!」と目を奪われますね。

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建水 (チャチャ)
2006-08-24 07:56:22
私の考えでは、道具にもランクがあって、建水は、下のほう。置かれる場所は客から、一番はなれていますし、建水は、点前中は、捨てた湯が入っていると、客に見えない帰りかたで、忘れられた存在。

ふきんでなく、雑巾でふかれ、ちょっと、可愛そうに思えてしまうのは,私だけ?
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驚き! (ジジのママ)
2006-08-24 07:47:02
普段、何気に使っている建水ですがこんなにたくさん種類があるのはしりませんでした・・・(勉強不足ですね)



>黒田竹玄氏の作品で太い竹をくりぬいて作った建水

 ↑一度、拝見してみたいものです。

きっと初対面(?)だったらビックリしてたかもしれませんがたまごさんの日記のおかげで「あぁ、これね♪」って冷静でいられるかも(ウフッ)



それにしても、いつもお勉強になるたまごさんのブログ♪

楽しみでもあり感謝してます。 ありがとうね♪
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