お家元のメッセージをうけて、一人前の濃茶をねる練習をしようと思いました。
これまでのお稽古でも、お客様が1人の場合、一人前の濃茶をねることはありました。
でも、お稽古でご一緒する方はそもそも抹茶が好きなので、多くてもいいわよ~
というお声がけもあり、それに甘えて、一人前をしっかり意識して点てていなかった
ような気がします。
以前、”濃茶と薄茶の適量”について書きました。
濃茶と薄茶の適量
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/49d5148eec6a6a4320c657a0f6b745e1
アクセス上位に上ることが多く、皆さん関心があるのだなと感じていました。
一人前 薄茶は茶杓 一杓半 約2グラム + お湯半杓60cc
濃茶は茶杓 三杓 約3.75グラム + お湯30cc
今回、12年ぶりに、改めて科学的に濃茶を点ててみました。
気合を入れた、わけではありませんが、0.1gまで測れるスケールにて。
まずは茶杓で抹茶を掬ってみました。
一人前の薄茶 茶杓 一杓半 2.0g
一人前の濃茶 茶杓 三杓 3.7g となりました。
一人前の濃茶は、見た目少なく感じたので、私は更に軽く二杓加えてみました。
茶杓 五杓で 4.8g
湯の量は目分量にして、濃茶を点てました。
空の抹茶茶碗は264.3g → 濃茶練った茶碗 300.6g → 吸い切り後 266.6g
300.6g ー 264.3g ー 4.8g = 31.5g .... これが私の目分量の湯の量
266.6g - 264.3g = 2.3g .... これが茶碗に残った抹茶の量
濃茶は自分で頂き、味、濃さを確認。
私は好きなので苦になりませんが、二人前はあるなあという感じ。
大体目安3口で頂きますが、たっぷり口に含んで5口はありました。
やはり私の点てる抹茶は多すぎるし、濃い目であることがはっきりしました。
そこで、基本の量で再度実験。
一人前の濃茶 3.7g + 30ccの湯
空の抹茶茶碗 264.3g → 抹茶 + 茶碗 267.0g →
湯30cc加え練った茶碗 296.0g → 吸い切り後 266.2g
ほどよい具合でした。
濃茶のまろやかさも、口に入ってくる流れ具合(濃さ)もちょうどよい、
3口で飲み切るくらい。
茶筅についた抹茶の具合も、ドロドロではなく、かといってゆるすぎず。
さらに、お茶碗に残った濃茶が、片付ける時、湯を入れればきれいにとれるだろうという位でした。
やはり基本の量はよくできている、が感想です。
今まで好きだからとついたくさん抹茶を掬っていましたが、茶杓3杓で、3.75gを掬える
感覚を覚えようと思いました。
基本の湯の量30ccは、1回目の目分量での量も、2回目の計量カップで測った量も、
あまり変わりませんでした。
柄杓だとどの程度なのか、確認しました。
直径5㎝の合の柄杓で、大体深さ1.5センチ位の湯。
柄杓の大きさによって、またつぎ柄杓によって違うので、ご参考まで。
1回目の我流でねった濃茶を飲み終わった後の茶碗はべったりと抹茶が残っていて、
片付ける時に茶巾が汚れちゃう?と思われました。
べったり残ってもったいないので、少し湯を足して、薄茶を点て、きれいに頂きました。
一碗で、濃茶も薄茶も楽しむ、自宅での自主稽古ならではの作法でした。
通常、濃茶だと3杓掬った後、人数に合わせて回し出しをしますが、各服点になると、
なくなるのだろうか、つぎ柄杓はどうなるのだろうか、と疑問が浮かびました。
亭主とお客様の問答やそのタイミングも変化があるかもしれませんね。
とにかく今は、濃茶一人前がどのくらいであるのかを認識し、
基本量を基本として身につけ、お客様のお好みや天候、湯加減などによって
練り分けられるように精進していきたいと思います。
各服点がどのようなものになるのか、楽しみが増しました。
私は理系ではなくて、普段は数字苦手でいい加減です。
でも、今回実際に細かく数値化してみて、自分の濃茶の濃さがわかり、勉強になりました。
各服の濃茶は茶入に茶杓4杓分、なるほど出し切れずに残ってしまう分も考えるとそうですね。
今度は茶入にいれて実践してみます。
数値化は面白かったのですが、やはり、最終的には経験がものをいうんだろうなと思っています。
濃茶をねった数だけ、心を込めてねった分だけ、味わいも増していくのだろうと。
いつも濃茶をねるときは美味しくなあれと心で唱えながらねっています。
素晴らしい計算で試され実際に味わられたのですから科学的!
私は各服のお濃茶では茶杓4勺いれます。回し出しで茶入れに残ってしまう分量も入れて4勺。
湯の量は勘で・・・全く科学的でありません。毎回濃さ味わいが違いますものね、これでは。大雑把な性格丸出しですね。