茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

心を通わすお茶 菊炭

2020-05-01 17:55:46 | 茶道マメ知識
 2月から3月にかけて全8回で教育テレビで放映された
 趣味どきっ! 茶の湯裏千家 心を通わすお茶
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/31952d0c80d2adb672945ea4d9561f5f

 書き留めておきたいと思った回についてのご紹介。

 今日は、第七回「炭の魅力を知る」

①釜の音
②菊炭
③炭手前


このうちの②菊炭について

● 一輪の菊の模様に似ているからその名がついた。
● 火のつきがよい。
● 燃え尽きるまで菊の模様が崩れない。
● 利休様や豊臣秀吉も愛用。


兵庫県川西で、室町時代から炭が作られてきた。
今西学さん(菊炭職人)は父の勝さん(2019文化庁長官表彰)から菊炭作りを学んだ。

菊炭作りに使われる木は、クヌギ

菊炭作りによいクヌギの条件は
● うすい皮
● 鮮やかな放射状の筋のバランスがよい
● 作る時期は、クヌギが水分を吸収しない冬場が最適。


<菊炭の作り方>

土でできたドーム型の窯で焼く。

1500本(約4t)のクヌギを窯に並べる。

800度になるまで約3日間かけて窯の温度を上げていく。

800度に達したら窯の火を消して5日間そのまま置く。

5日目、炭出しをする。この時点でも窯の中は100度の暑さ。
一度に10分くらいしか作業はできないが、炭が割れてしまわないように丁寧に運ぶ。

酸素の加減と温度管理が大切。
800度前だとクヌギの内側まで火が通らず、木の部分が残る。
一方で、800度を超えてしまうと灰になってしまう。

1500本のクヌギから、菊炭になるのは2割弱



<火を消すタイミング>

800度になるタイミングはどう調べるか。
窯の上に空気穴が開けてあり、その穴にマッチ棒を近づけて3秒で火がついた時が
窯の中が800度であることの合図。

他は煙突から出る煙の量やにおいを見ながら、火消しのタイミングを計る。

今西さんは、父から、このタイミングをうるさく言われ、これ位大丈夫では?と思ったこともあったが、実際やってみると少しでも間違えるといい炭はできないと話していました。
27年間炭作りをしてその奥深さを知った、と。



800度かどうか調べるためにマッチ棒を近づけるというのは初めて知ったし、3秒でシュッと火が着くのに驚きました。

ちなみに、最近は胴炭、丸ぎっちょ、割ぎっちょ、止炭、割管炭、丸管炭と、1回分の炭手前に使用する炭セットが売られていて便利ですが、本来は自分で必要な長さに切って使用するもの、です。
かくいう私も自分で切ったことはありません。

一昨年京都に行ったとき、ちょうど裏千家学園近くを通った時に学園生が炭を切っているところでした。

また、先日はネットで、それぞれの炭の大きさを測るための物差しを自分で作って、それに合わせて炭を切っている動画を拝見しました。

学ぶべきこと、体験すべきことはまだまだたくさんあります。

これほど苦労して作られる菊炭。
作り手の話を聞くことができて本当に勉強になりました。
これから炭手前をさせて頂く際は、更に感謝して向き合いたいと思います。


茶の湯 裏千家 心を通わすお茶/千宗室/日本放送協会/NHK出版【1000円以上送料無料】

価格:1,210円(2020/4/25 22:26時点)








コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 心を通わすお茶 釜の音 | トップ | 心を通わすお茶 炭手前 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
手と技と (m-tamago)
2020-05-02 11:55:37
春旦さん、こんにちは。
春旦さんのお茶事におよばれしたい~。

菊炭が2割しかできないというのにはびっくりしました。
火の入り方やその時の気候などによって、やはり大変な作業なんでしょうね。
本当にありがたや、ありがたや、です。
返信する
手と技が・・・ (春旦)
2020-05-01 21:39:23
やはりうちでもお茶事の時の炭は出入りの茶道具店にお願いして買い求めます
菊炭になるのは2割もできないのですかぁ~?
大切に使わさせていただかないといけませんね!
茶道具同様何事にも手と技がたくさんかかるのですねぇ
ありがたや・・・ありがたや!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

茶道マメ知識」カテゴリの最新記事