福島県から新潟県へ抜ける只見線は、「世界でいちばんロマンチックな鉄道」と言われています。
◆ 平成23年7月に発生した福島・新潟豪雨で、会津川口~只見駅間が不通となって10年。その間バス代行もありましたが、昨年10月に全線で開通した只見線です。90億円もの復旧復興予算を使ってまで、完全復興できたのはどうしてなのでしょうか?
◆ そこに、もしかして、阿武隈急行線の持続可能な運行を可能にする”ヒント”が隠されているのでは!?と思い、謎を探るべく「かくだ未来俱楽部」+無会派の星議員、私たち角田市議会議員計4名は、大雪の朝(この日だけなぜか大雪)、行政視察に向かいました。
◆ 東北本線他が雪で運休になった中、阿武急が止まらなくてよかったです。(*^_^*)v 流石!われらの阿武急です!! まずは、福島駅から車で5分の福島県庁へ・・。
(福島県庁:議会事務局、福島県生活環境部生活交通課長、担当の方々が勢揃い)
(角田市議:右から、星議員、副会長の私、武藤会長、滝口議員)
◆ 会派より10項目の質問を送っていたので、その件を含め佐藤課長さんが只見線の復旧復興の歩みを事細やかに説明してくださいました。
◆ 只見線は、「紅葉の美しい路線」、「雪景色のきれいなローカル線」など、海外とくに台湾からの旅行客に人気なのだそうです。そのきっかけは、アマチュアカメラマンの「星 賢孝(ほしけんこう)さん」が毎日、只見沿線の風景写真をSNSに投稿したことから。
◆ 豪雨災害前(東日本大震災と同じ年の7月)、少しづつ観光客が来はじめていた頃でした。JRはもちろん廃線の方向へ。しかし!!「これから只見線はインバウンドの可能性がある!」と思った福島県知事と関係者は、「只見線復旧促進会議」を発足、会津川口駅~只見駅間27.6kmを上下分離方式を提案、7回の検討会を経て、平成29年1月に”鉄道復旧に関する基本合意書”をJRと締結したそうです。
◆ 「上下分離方式」は、駅などの施設や橋梁を県(7割)と17市町村(3割)が負担。運営は今まで通りJRが行う方法。県の担当者さんは、「福島県知事の覚悟」があった、と話されていました。すごい。福島県知事!!
◆ ・・ここで、宮城県と福島県の大きな考え方の差に気が付きました。宮城県は災害後、「赤字が続くのであれば廃線、もしくはバス路線などへの見直しを行う」等、財政負担を少なくする政策案が出ました。(それが一般的なのかもしれませんが・・)
一方福島県は、「県内の鉄路はどんな災害にあっても守る」という考え方。「どうやったら完全復興できるか」とポジティブな政策方針をとっています。(県民性でしょうか!?)
◆ 実際、只見線の利用客は観光客以外では少なく、毎年3~4億円の赤字とか。お聞きするとこの負担は、沿線自治体だけでなく只見線が通っていない街も参加しているそうです。(@_@)びっくり! 【会津はひとつ】というキャッチフレーズの元、お互い様で数万づつですが出し合っているとお聞きしました。
◆ 阿武隈急行線も 【仙南はひとつ】のキャッチのもと、阿武急の沿線でない自治体も少しづつ負担していただけたら、仙南の結束が固くなるのではないでしょうか。自己の街の財政ばかり考えず、近隣自治体と一緒に生きていくという考え方、すごく大切だと思い、只見線から学ばせていただきました。
そして、プロモーションにお金をかけていること。やはり、市町村ではできないTVCMや、外国語版ガイドブック作成、台湾等での「只見線写真展」ほか。国内外に、美しい只見線をPRしているのが素晴らしいです。外から評価されることによって、さらに地元の只見線愛が醸成され、誇りとなっているのでしょう。「ああ、みんな福島を 只見線を愛しているんだなあ」と感じました。
議会事務局始め、県担当の方々のあたたかいおもてなしに感謝をしながら、私たちは、福島駅~郡山駅~会津若松に移動し、その日は会津若松のビジネスホテルに一泊致しました。
そして次の日、とうとう只見線に乗車しました!!
(左が第三セクターの会津鉄道、右側に只見線が入ってきました)
◆ 高校生がいっぱいです。
(只見線に乗り込んだ行政視察一同、わくわくです)
(会津若松駅を出発!~前日の雪が田んぼを覆います)
(ほとんど学生さんで満員・左は滝口議員)
(一転、ガラガラの車内)
◆ あんなにたくさん乗車していた高校生が途中で降りると、私たち以外は誰も乗っていません。
◆ ここから約2時間、「行政視察ご一行様(笑)」の貸し切り列車が走るのでした。
(絶景。只見線に沿って流れる只見川)
◆ 2時間といっても全然飽きません。次から次へ変わる景色、空と川と、雪と木々と、すごく美しいコントラストで、高性能カメラが欲しくなります。(笑)鉄っちゃんになりそう・・
◆ 只見川が空の青や山の雪を映して、すごっく美しいです
’(山のふもとに集落がみえました)
◆ 「視察でなく、今度一人でゆったりと来てもいいな」と思うほど癒された時間でした。‥いや~これは、やっぱり、インバウンド期待できるでしょう!(*^^_^*) でも、角田と丸森間の風景ににちょっぴり似ているんですよね。木々の整備などしたら、もしかして阿武急もイケるかも!?
◆ 只見線のだいたい真ん中、「会津川口駅」に到着しました。これから、金山町役場(会津川口駅から徒歩)へ伺って、地元の応援など色々お聞きいたします。
⇒ 長くなったので、また明日、続きを書きますね。m(__)m