昨日、新しい登山靴を買ってもらった。
自慢じゃないけど、いや自慢ですけど、私の憧れのイモトアヤコさんと同じ、GORE-TEXのSCARPAですむふふ。
というわけで、バイト休みの今日、新品の登山靴を慣らすため、ひとり山へ行きました。るん。
何度かいった近所の山、金峰山に向かったが、その途中で「小萩山山頂(はこちら)」という標識が目にとまり、
途中で引き返して、予定変更。行ったことないこの山に決めた。
金峰山は山頂まで車でも行け、さるすべりコースで40分、自然歩道コースなら片道20分ほどの手軽な山。
金峰山のつもりで出かけたので、飲み物は登山口の駐車場で買えばいいやと思ってなにも持っていなかった。
ちなみに、この小萩山も、山頂までずっと林道で、車で行ける。
私は靴ならしのためなので、もちろん県道1号線(熊本玉名線)沿いに路肩駐車。
山頂まで、自販機などはもちろんない。標高が低く、勾配が殆どないぶん、実際に歩く距離は結構長く感じる。
私は写真を撮り撮り歩くので、山頂まで1時間20分かかり、山頂でちょうどお昼になってしまったが、
食べ物も水もなにもなかったので、ひからびながら降りてきた。下りは40分くらい。
それはそれはみごとな山野草の山歩き。
(左下)クルマバナ。 (右下)シャガ。
(左下)ヤブジラミ。 (右下)ムラサキケマン。
(左下)ホウチャクソウ。 (右下)コケリンドウ。
(左下)ツルニチニチソウ。 (右下)シロバナイチゴ。
(左下)シロバナタンポポ。 (右下)ニガナ?
(左下)スミレ。 (右下)名前わからず。花の形はホウチャクソウに似た吊鐘型だけど、とても小さく、1センチくらい。
山頂までの間、地元の林業関係者の方以外誰とも会わなかった。
でも、きちんと整備された山頂だったので、週末になれば、ハイカーで賑わうのかもしれない。(登山道は結構ごみが多かった)
途中、パーン!パーン!と猟銃を撃つような音が結構近くからこだましていた箇所があって、
誤って撃たれるのではないかとびくびくしながら歩いた。よっぽど、
「ここにひとがいまーす!」と叫ぼうか迷ったけど、
考えてみればあんな自然公園内の山の中で、猟銃を撃ったりするものなんだろうか。
あれはなにか林業関係の音だったのかもしれない。
でもその時はちょっとひやひやして、もし誤って撃たれた場合、今日ちゃんと部屋を片付けてきたろうか、
なんて報道されるんだろうか、「いい人でした」とか誰か言ってくれるかな、
死後、整理されてまずいものは出てこないだろうか、とか考えながら歩いていたら、
唐突に、竹林の中で、竹を切っている老夫婦が現れて、私は山の中で初めて出会う「人」に興奮し、
「すみませーん、山頂はこっちでいいですかー」とわかりきったことをきいて見たりした。
山の中を私が登って行った、ということを、誰か第3者に目撃しておいてもらう必要もある。
或いは、猟銃を撃っているひとと知り合いで、「いまは撃つのをやめるように」と言ってくれるかもしれない。
山頂はこっちでいいか、と適当に聴いてみたところ、おばあさんが、
「おはぎやまー?ここをあがっていったらね、途中二股になるばい。
左に行ったら金峰山にいくけん、右のほうへ行けばおはぎやまたい」
私はこのとき初めて、小萩山→「おはぎやま」と知りました。
そして、右の道を行け、というおばあさんのアドバイスに、このあとものすごく救われることになった。
なんの標識もない分かれ道 ↓↓真ん中の緑の旗は、山火事注意だかそんな感じのことが書いてあるもの。
クレイスパ(泥温泉)の日の記事で、「神様なんてなにも教えてくれないし」と書いたけど、
いや、神様は必要なときに、必要な助け舟をだしてくださるものだ、とほんとに感心してしまったのだった。
山の中では、ウグイスの声に囲まれた。
ホーホホホホホ・・・とまだうまく鳴けない、気弱そうな新米ウグイスに教唆するかのように、
四方八方から先輩ウグイスの見事なお手本が後から後からそれに続く。まるで音響サラウンド。
竹林はいつも不思議な感じがする。
空に近いほうは、他の木々のように青々と葉っぱが茂っているのに、胴体はまるで別物だ。
時折、風が吹いて、竹が隣りの竹にぶつかって、ししおどしのような音をたてた。
そして、誰もいない山頂の大岩の上は、私のへたな写真では伝えられない爽快さで、最高だった。
この山頂は、金峰山を凌ぐ!と思ったのは、人気の金峰山と比べ、
平日だったから閑散としていて、貸切状態だったことも大きいかもしれない。
阿蘇外輪山や、昨日は冬のような寒さだった熊本市内、阿蘇の山頂がうっすら白いのも肉眼では見えた。
私のカメラは優秀なので、こんな遠距離から、
ここまで望遠出来ます。熊本城。
岩の上でうとうと、眠りそうになっていたら、なにか白いものがおしりの辺りに走ってきた。イモリだった。
イモリに驚いた私にイモリが驚いて、お互いひぇぇぇええーーー!となって、イモリの方は岩の陰に隠れてしまったが、
時々ひょいと顔をだして様子を伺い、同じように様子を伺っていた私と目が合うとまた見えなくなってしまった。
よくみるとすごく可愛い顔をしていて、「驚かせてごめんよー 出ておいでよー」と謝ったが、それきりだった。一期一会。
一期一会と言えば、帰り道、赤い首輪をしたわんこと出会った。
わんこはよく太っていて、ご機嫌で、明らかにそこのお宅で飼われているわんこなんだけど、つながれていなくて、
車も殆ど通らないから、自由に家のまわりを行き来させてもらっているらしい。
私はこの子の顔をみて、思い出すわんこがいて、思わず「チップ」と呼んでしまったがチップではない。
わんこもなぜか私を気にいってくれて、ふたりで道端を転がってしばらくじゃれたあと、
「じゃあね」と言って帰ろうとすると、とことこわんこもついてくる。
そのへんまで見送ってくれるつもりなのかな、と思ったけど、もうお宅が見えなくなるくらいまでついてくるので、
これはいかんね、と思い、再びそのお宅の前まで引き返した。
私が戻ると、わんこもゆっくりしたペースでついてくるのだ。
お宅の前で、「ハウス」 と言うと「えーーーーー」という不満顔。
でも手を振って離れると、もう一度ついていく元気もないようで、でもいつまでも私を見送ってくれていた。
こうして、私の新品の靴ならしは終了しました。
あ、いい感じでしたよ、靴。
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