犬とハナウタ

山歩きブログだった「山とハナウタ」改め「犬とハナウタ」として再スタート。雑種犬ゆめとの暮らしや日々のことなど。

【3】久住山【4】中岳【5】天狗ガ城

2012-08-19 | 九州の山歩き

九州にきてから山の話をすると、「じゃあぜひクジュウにいくといいよ」とか、

「クジュウはもう行った?」ということをよく言われる。 そんなに仰るなら、ということで。

クジュウ とは大分県にある「九重(久住)連山」の久住山ことであろう、と見当をつけて、さっそく登ってきた。

先の水害の災害工事による通行止めのため、熊本から大分に入るのには迂回が必要だった。

久住連山とは、『九州本土最高峰の中岳をはじめ久住山や大船山、星生(ほっしょう)山、三俣山など

1700M級の山々が連なる一台火山帯である。』(ヤマケイ 新・分県登山ガイド)

どの時点までかはわからないけれど、以前は久住山(1786M)が一番高かったらしいが、

年々低くなり、今いちばん高いのは中岳(1791M)なのだそう。 

昨日は、久住山、中岳、天狗ガ城(1780M)の三峰を踏んできた。

スタートから下山まで往復6時間の行程、「久住分かれ」と呼ばれる分岐までは炎天下の中をひたすら登る。

でも山頂付近では、体感で17~8℃くらいだったと思う。

吹き下りてくる風が心地よく、鼻先が冷たくなり、汗が冷えると肌寒いくらいに。

「涼しい、冷たい、肌寒い」なんて言葉、7月以降、九州の野外で口にしたことがなかったので、感動。

夏の間はここに居を構えたい、とぶつぶつ呟きながら歩いた。

まだこっちに知り合いもいなくて、日常生活では殆どひとと話すことのない私、でも山に来れば一気に言葉を交わす人脈が増える。

知らないけれど知ってるような。山で見る顔ぶれは、東北も九州も、たぶん全国どこでも変わらない。

山で会う人とは必ず「こんにちは」と声を掛け合う。

たまに無視されると、「あー、あのひとは普段は登ってないひとなんだな」と分かったりする。

山で挨拶するのは、マナーとか、何か万が一のことがあった時に、自分とすれ違ったことを覚えていてもらうため、という

事故対策のためもあるけれど、同じ日、同じ時間に、同じ山を目指して歩いている仲間と思えば、自然に言葉をかわしたくなる。

そしてなにより、圧倒的な自然の中に立つと、本当に人間がちっぽけで弱い存在であることが歴然とする。

そんなどこか心細さの中で、もっと本能的な仲間意識、

「あっ、自分と同じ人間だ!」 とでもいうような仲間意識が芽生えるような気がしている。

集団行動は苦手だけれど、他愛ない言葉を交わすこの山での一瞬が、私はとても好きだ。

いろいろ思い悩むことはあるけどもさ、まー、のんびり行けばいいのかな、と。

夫と二人三脚でとはいえ、私が場所を変えても継続してずっと続けていけてるのは、いまのところ山だと思う。

山野草の名前、お馴染のものや珍しいものは覚えているけど、前に調べたはずなのに名前を思い出せないものも多い。

もう一度ちゃんと勉強しなおそう。せっかく数こなすのに、ただ漫然と登ってるなんて、もったいない。

花の名前、葉の形、手触り、匂い、実の形、味。鳥の囀り、鳥の名前。

自分の五感で学ぶしかないこと、山でやっておかなくちゃ。

山で出会う年配のベテランのひとたちの経験や知識にはとても敵わない、といつも思う。

下界では自分が若いなんて言えないけど、でも山に行くと、私はほんの若造だ。

いまはまだなにに繋がるのかみえないけど、続けていれば、ただ好きなだけじゃなくて、

いつか、ずっと先に、なにかの形になるかもしれないよね。いまはまだトンネルの中。勉強しよう。

  

   

  

左下の中岳が、九州最高峰。 右下は、中岳から20分の、天狗ガ城。

  

下は、峰々の中央にある御池。湖面をふきわたってくる風は一層心地よい。

この池の縁を落っこちないようにぐるりとまわって、中岳へ登る。

池を挟んで四方に峰がある山、東北では秋田駒ケ岳がそうだった。東北では6月7月でも残雪の山は珍しくない。

秋田駒ケ岳は、東北で私の好きな山ベスト3に入る山だ。でも久住連山のスケールの大きさには正直、言葉を失う。

九州はなんでもかんでも、スケールが大きい印象だ。 野菜も果物も大きい。

温泉も湧き水も、あちらこちらから溢れるように地の底から湧いてくる。

阿蘇の草千里、外輪山を一面に覆う草の海で牛が草を食む光景、その広大さは、北海道か熊本かというスケールだ。

東北には東北の、移ろいやすい繊細さ、時に人を突き放すような厳しさを湛えた美しさ、

九州の自然は、圧倒的な強さと存在感で、ひとも動物も森もひっくるめてのみこむような雄大さ。

ついいつも東北と比べてしまって、なんだか昔の恋人と今の彼氏を比べるみたいだけど、

どちらにもそれぞれに良さがあって、片方には決められないの(笑)

九州の山歩きはまだ始まったばかり。

 

 

 


コメント (8)    この記事についてブログを書く
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8 コメント

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羨ましい (すずめ)
2012-08-19 16:23:50
二人三脚っていいなー
どんな山でも楽しくなってしまう

すずめは

山に憧れ
山に登り
言葉少なに
ただ歩む

です

(すずめはいつも単独行だから何か喋っていたら危ない人になってしまうけれど)
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実は・・・ (ざき)
2012-08-20 17:16:25
私のふるさとは、この久住さんの登山口もある 大分県は九重町なんですよ。昔 登ったことがあるのを思い出しました。身近にありすぎて、気がつかない自然。。。
もっと大切に接する時間をもちたいな~
返信する
同じ日に・・・ (まりりん)
2012-08-22 20:24:49

初めまして・・アラフォーの山女です。
私も中岳・天狗ケ城・白口岳・稲星山を縦走しました。
山の上は秋の気配でしたね。
14日には私も天草に、それから阿蘇にもお手伝いに何度か行きました。
同じような行動パターンで驚きました!!

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ご無沙汰しています (えびおう)
2012-09-17 21:48:56
久し振りに遊びに来て見ました。
熊本でもお元気そうで御活躍、ワクワクしながらページをめくっております。
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すずめさんへ (きのこ)
2012-09-20 19:02:52
すずめさん、いつもありがとうございます!
山でなくても二人三脚!
いつまでも仲良しでいてくださいねっ♪
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ざきさんへ (きのこ)
2012-09-20 19:03:45
お返事が遅くなってしまってすみません。
久住は本当に素晴らしいところですね。
まだたくさん制覇したい山があります。
これから楽しみです♪
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まりりんさんへ (きのこ)
2012-09-20 19:04:33
同じ行動パターンだったのですね!
またどこかでお会いするかもしれませんね♪
楽しみにしています。
もしや、と思われたらお声がけください。
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えびおうさんへ (きのこ)
2012-09-20 19:05:14
ご無沙汰しています!
熊本へきても、がつがつがんばっています(笑)
本当にありがとうございます♪
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