ひあしのぶ

冬至以降、確実に日は延びましたよね。

「日脚伸ぶ　夕空　紺をとりもどし」（ひあしのぶ　ゆうぞら　こんをとりもどし）

 

ところが、10年だか20年だかに一度の大寒波襲来。

各地で大雪による被害が続出しているようです。皆さま、ご無事ですか。

体感的な寒さよりも、私はこの時期、気持ち的に上がりません。

毎年この季節になると、

春はまだか、とか、立春なんて嘘ばっかり、とかぶりぶり文句を言っているのですが、

震災以降、そういう文句を言わないと決めたので、

けしてこれは文句を言っているわけではありませぬ。

「気持ち的に上がらない」と言ったのは、客観的な身体的事実でございます。

 

実際、平日は毎日、何時間か屋外作業しているので、ずいぶんと体は強くはなりました。

重ね着を工夫すれば、寒さも気にならないものです。

今日は、愛護センターに被災犬のお散歩にいって、

雪の中で真っ白になりながら、わんこと思いきり遊んできました。楽しかったです…とても。。。

とはいえ、気持ち的に上がらないのは（しつこい）、寒さのせいなのかどうか、はっきりわかりません。

なにかがものすごく抑圧されているような気もするし、

震災以降、日本を覆っているさまざまな不安要因のためかもしれない。

あれから1年経とうとしているのに、いや1年経とうとしているからこその、

一向に進まない道程へのジレンマや閉塞感を、じわじわと最近また感じ始めているような気もします。

 

Twitterではさまざまな情報や、ひとそれぞれの感情が溢れており、

自分の考えや感情がまとまらなくなる気がしたので、一時期「Twitterやめます」宣言をしたのですが、

でもやっぱり、復興支援や、関東東海での地震情報などを収集するためには、

欠かせない情報ツールであると感じたので、また再開しているわけなのですが。

 

その中で、沿岸部で被災された方が、

「内陸の方に行ったら、パチンコ屋に車がずらりと並んでいた。被災した私達との温度差に愕然とした」

という内容のTweetを書いておられました。

私はそれがとても心に残って、忘れられないでいました。

パチンコ屋に車が並んでいるだけでショックを受けておられる被災者の方がいる。

そうだとすると、仙台の中心部や歓楽街などに訪れようものなら、どれほどの衝撃を受けてしまうのだろうか。

そのことを思い出すと、

遊んだり、美味しいものを食べたりして、「楽しかった！」「美味しかった！」と素直に声に出すことが、

とても出来ないような、苦しい気持ちになります。

 

でも、「パチンコ屋」ということでもうひとつ、知ったお話があって、

先日、災害ボランティアで石巻市に行ったのですが、一台の車に乗り合わせ、

震災直後から様々な支援活動をしておられる他のボランティアさんから聞いたお話ですが、

ある仮設住宅の近くでは、パチンコ屋さんが大盛況なのだそうです。

それしか、ほかに娯楽がないからなのだそうです。

 

震災後、被災して、アルコール中毒になってしまわれる方もいると聞きます。

だから、一概に「パチンコ屋にいっている」＝楽しく遊んでいる　

というわけではないのだ、という一面も知ることになったのですが、

そんなあれやこれやを考えていると、自分もなんだか苦しくなってきて、

それで毎日のようにハードスケジュールにボランティア活動を入れて動き回っていると、

今度は体が悲鳴をあげるという始末。

なんともかんとも。

 

すべては寒さのせいだと思いたい。

春になればすべてがよくなる。そう信じたい。

なにかもっと楽しい話題を提供できるといいのですが、申し訳ない。追々ね。