昨日は一人で、水俣に行ってきた。
水俣と聞いて、ぱっと思い浮かべることはなんだろうか。
県外から来た私にとっては、「水俣病」だった。
地元のニュースや新聞でも頻繁に「水俣病」と言う言葉を聞く。
最近のニュースでは、2013年10月の批准を目標に政府間交渉が進められている、
水銀および水銀を使用した製品の製造と輸出入を規制する国際条約
(正式名称「水銀に関する水俣条約」(the Minamata Convention on Mercury)の名称が、
水俣病の教訓を忘れないという願いをこめて「水銀に関する水俣条約」とすることが、
2013年1月、ジュネーブで開かれた国際連合環境計画(UNEP)の政府間交渉委員会にて提案され、可決された。
条約自体は2013年10月に熊本県内で開かれる会議で批准され、
批准されれば、2020年以降、水銀入り体温計や蛍光灯の製造と輸出入、廃棄などが規制される。
水俣病のことを忘れないために、とてもいいことだ、と地元のニュースでやっているのを観た。
過去の教訓を忘れないことは大切だ。だけど、いま現在の水俣の姿を知らないこと。
知らずに、「なんとなくこわい」と感じてしまうこと。
先日、ある人と話していて、自分がそう思っていることに気付いた。
熊本に来てからあちこちみてまわったけれど、なんとなく水俣に触れないでいたところがあった。
私の故郷は、小学校の教科書で、水俣病と並んで習う、公害のあった地域であり、
その地名を言えば、「ああ、あの公害の」と必ず言われたものだった。
少なくとも、15~6年前まではそうで、地名を言えば必ずそう返されるので、出身地を言うのが嫌な時期があった。
「やっぱり住んでるひとはみんな、ぜんそく?」なんて言われたこともあった。
それはトラウマとも言えるほどのいやな感情だった。
出身地を言って、そこが負のイメージしかないということはすごくいやなものだ。
その多くは、その負の情報以外に、その土地のことを知らないことからくることが多い。
その故郷も、いまは随分イメージがよくなって、昔のように「あの公害の?」と言われることも少なくなった。
夜景スポットを観に来たり、写真愛好家がやってきたりするようになった。
土地を離れずに盛り上げている、若い世代ががんばっていることと、
訪れたひとたちが実際にみて、その土地の良さを知ってくれることの効果が大きいと思う。
その土地のことを、その情報以外に知らないために、「なんとなくこわい」と思ってしまうこと。
私は他の出身地のひとよりも、その「言われる気持ち」をよくわかっているつもりだ。
震災後、たぶん私が感じてきたと同じような風評被害に苦しんでいる土地もある。
だけど、実際にその土地を知っていればいるほど、外野の騒音は「なんのこと?」と感じるものだ。
なのに、水俣のことは知らないでなんとなく遠くに感じていたことに気づいて、私はとても恥ずかしく、
それですぐに行ってみることにした。自分の目でみて感じるのがいちばん。
実際に行ってみたらやっぱり、私の水俣のイメージは映像としてぐんと拡がった。
水俣がこんなに素敵な場所だってこと、県外のひとで知ってる人はどれくらいいるだろうか。
水俣市に入ると、「環境モデル都市みなまた」の標語が飛び込んできた。
環境問題を抱えた過去を持っているからこそ、その後環境に対して注視し、他よりもうんと整備されているのだ。
熊本は基本的に空が広い。
いつかまた別の土地に行った時に、熊本を思い出すとき、それは「空と〇〇」だと思う。
空と、牛か。空と、馬か。空と、熊本城か。いまはまだわからないけど、きっと空は必ず入ってる。
がその中でもひときわ、水俣は空の印象が大きかった。自分の中に飛び込んでくる、圧倒的な空と海の青。
山の斜面に拡がるみかん畑の緑と黄色のトンネルをぬけると、こんな風景が拡がっていた。(湯の児スペイン村福田農場)
不知火海を見下ろすレストランで、近海でとれた海産をつかったパエリアのセットを食べた。
とっても美味しくてボリューミー、この質で1550円はすごく安いと思った。
この日の水俣は風が強くてとても寒かったけれど、それでも陽射しはあたたかく、そこかしこに春を感じた。
初めて暮らす九州の地名が、ひとつまたひとつと、記憶の中に映像の地図として増えて行くのが嬉しい。
行ってみてすごくよかった。
水俣にいってみてはいよ。
覚えてらっしゃいますか?
時間が経ち過ぎてしまったかしら・・・。
梅子さんのブログで、
熊本に引っ越されたのを知って(遅いですが)
のこのこと、きのこさんのところへ来てしまいました。
お元気ですか?
素敵なところへ引っ越されたんですね。
空が綺麗なところは良いですよね。
まだ寒いですが、お体気をつけてくださいね。
昨年の夏に仙台から熊本に転勤になりました。
いろんな時差ボケ的変化に
いまだ対応中というか、
熊本での初めての冬を越え、(そんなに寒くないけど)
初めての春を迎えているところです。
くまこさんもお幸せそうで、なによりです
お体に気をつけて、ご夫婦なかよくお過ごしくださいね