カルデラの規模の大きさでは世界一といわれる阿蘇火山、その阿蘇連山を一望出来る場所からみると、
横たわったお釈迦様の姿に見えることから阿蘇涅槃と呼ばれている。
今日の根子岳(1408.1M)は、お釈迦様の顔の部分にあたる。
高岳、中岳、杵島岳、烏帽子岳、根子岳など1300M 級の山々を総称して「阿蘇五岳」と呼ばれているが、
これで阿蘇五岳を一応制覇したことになるだろうか。杵島岳のすぐお隣なのに悪天候で断念した往生岳へはそのうちに。
大戸尾根コース:往路1時間30分 復路1時間
登山口:265号線を上色見方面へ向かい、鍋の平キャンプ場の近くに、根子岳登山口の案内標識が出てくる。
駐車場も完備されているが、紅葉シーズンということもあり10時スタートでは既に満車だったため、路肩に駐車。
登山口へは牧場の中を通っていく。阿蘇では、牛馬の「落し物」から逃れられない。
したがって登山道に入るまでは、うかうかと空を見ながらは歩けない。まあ別に踏んだからって死ぬわけじゃないけどね。
それに草食動物のはそんなにくさくないよ、ほんと。慣れればどうということもないです。でもちゃんと地面をみながら歩きます。
烏帽子岳はお馬さんの横を通っていったけど、今日はお食事中の牛さんの横を通っていく。
(左下) 登山道にはどんぐり、ごろごろ。九州にはクマがいないそうなので、余っているんだろうか。
全国各地の山に宅配便で送りたい。クマさんのえさが足りなくて、人里に下りてくるのだろうから。
(右下) この時期、九州の山でよくみられるヤマラッキョウ。ネギ科の多年草で食用できるそう。
ものの本には、「揉むとニラのような香り」 と書いてあるけど、
わざわざ山でニラの香りをかぐこともないので、ここは揉まずに観賞して通り過ぎる。
落ち葉はすっかり乾いて、カサカサと、紙の上を歩いているような感触に。
森の中ではすぐ近くで、ジョウビタキが綺麗な声でさえずっていた。冬の初めに、北の国からやってくるのだそうだ。
写真で撮るのは難しいけど、オレンジ色のおなかがとても綺麗な鳥だった。
阿蘇の山々は、先の九州北部豪雨で被災したため、各所で大きな崩落の跡がみられる。
山肌が大きく削り取られ、本来なら一面紅葉の絨毯のはずが、まるはだかになってしまって痛々しいが、
訪れるたびに強大な生命力を感じるこの地は、きっとまた長い年月を経て、再生するに違いないと確信させる。
(下)手前部分も崩落しているが、奥に聳えているのが、天狗峰。根子岳の象徴的な峰で、昔は頂上まで鎖がはられていたそうだが、
いまは鎖は除かれているという。ザイルを使って登ることの出来る、ロッククライミングの人向けの峰だそうですが、
検索すると、自信のあるひとはけっこう登られているようです。でも滑落事故も多いようです。想像に難くない。
ちなみに、ヤカタガウド登山口のある日の尾峠は、以前私達が向かったところ、崩落のため通行出来ませんでした。(2012年9月時点)
東峰山頂から、天狗峰を望む。
(下)光って読めないけど、「根子岳東峰 1408M」 って書いてあるよ。
あのてっぺんにか・・・うーん、立てたら気持ちいいのかもしれないけど、私はとりあえずまだ無理かな。
でもなにがなんでも登るべき理由があれば、きっと誰しも登れる底力は持っているんだろうとおもう。
例えばあのてっぺんにものすごく大事なものを置き忘れてきたとか(置き忘れる、という設定に無理があるけど)、
私は子供がいないけども、例えば、自分の子供があのてっぺんで「たすけてー」と泣いているとか。
そういうとき、ひとはとんでもない力がでるもんじゃないかとおもう。
そしたらあんな岩なんてひょひょい、と登れてしまうにきまってる。
なんてうそぶいて、東峰から眺めた天狗峰に背を向け、山を下りてきたのでありました。
月廻り公園からの眺めも抜群でしたが、まさしく奇観です。ギザギサの一端を解明した気分です。
ありがとうございました。
阿蘇はほんとうに、寝仏に見えますね。
初めて知った時は、本当に驚きました。
たしかにお顔の部分に登る、と考えると、
なんだか不謹慎な感じがしますが、
登山者も多く、とても魅力的な山です。