2010.5.15 曇り時々晴れ
am9:05登山口
【青麻山/標高799.5m
あけら山/標高810m
蔵王連峰の東側にある、ふたつの山。
東に青麻山、西にあけら山があります。】
今回は、これまで以上に記憶に刻み込まれた
山歩きになりました。
いつも登る山は夫が探してきて、
「今週末はどこどこに行こう」とプランが決まるのですが、
今回は私が「青麻山に行きたい!」と決めて、決行した山歩き。
だからとっても楽しみでした。
しかし、綿密な計画や下調べをせずに、
低山だから行けばなんとかなるだろう」
という気持ちで歩き始めたのが間違いの始まり。
片道1時間あれば登れる青麻山登山で、
私たちはスタートから通算5時間歩きづめ、
という、後半は「軽く遭難状態」に陥るはめになったのでした。。。
前半は順調でした。
白石ICを降りて、下別当を目指して長閑な里山を走ります。
バイパスから離れると、登山道の案内板があるという下別当まで、
コンビニがひとつもないので、
ICを降りたらまず、バイパス沿いのコンビニで、
スポーツドリンクの調達やトイレなどを済ませたほうがいいです。
私たちは、下別当まで行ってしまってから、
7~8㎞バイパスまで引き返し、時間のロスになりました。
さて、下別当の案内板に再び到着。
(赤字は筆者記入)
「現在地」とあるところが、案内板のある場所。
私たちはこの案内板の右手にある道からもっと上に、
車で登っていき、林道脇に駐車して、登り始めました。
最初からちょっと歩きごたえのある道を登りたい人には
変化に富んでいて楽しく、絶好のルートだと思います。
トレッキング愛好者にとっては、
そんなに難解な道というわけではない。
ただ、「初心者向け」だと勘違いしたまま登ると、
疑問と不安がプラスされて、余分な疲労をすることになります。
案内板をよく見ればわかったことなのですが、
メインの登山ルートというのは、
この案内板からIC方面に戻ったところにあります。
(両登山口の間に老人ホーム「楽園ケ丘」あり)
メインルートでは、「無線中継所」に車を停めて歩きはじめます。
「無線中継所」はかなり上のほうにありますが、
そこまで車で行けるわけです。
来る前に、青麻山登山を記録した他のブログで、
『登山口をはいったところに「花畑」があって、いろんな花が咲いている。』
という情報を読んでいたので、花畑がとても楽しみだった私。
登山道も整備されていて初心者向け、
ファミリー向けの易しいコースだと書いてありました。
それはメインルートの話だったのですね。
前半はスギ林を抜け、緑溢れる爽やかな森の中を歩き、
ニリンソウもたくさん咲いていて、
とってもマイペースで歩けました。
鳥の声や緑が気持ちいい。
こんな場所も、わくわくします。
群生するニリンソウ。
ヤマブキ。
ヤマツツジ。
しかし次第に勾配が急になり、
気を緩めると転げ落ちそうな登りが始まります。
「これ、ホントに初心者コースかなあ?」
と、まず夫が疑問を感じ始めました。
「う~ん。。。」と私も自信がない。
「初心者」とは意外にハイレベルなことをいうのかもしれない、
などとテキトーに思いつつ、汗だくで登ります。
でも次第に「ルートを間違った」と確信に近くなり。
登山ルート上に「電波塔」というものがあるはずなのに、
明らかに左手下方の別の山腹に見えているし、
頂上までの案内標識が、各所各所でたっているということだったのに、
そんなものは一切ない。
ちゃんと道がついているので登山道であることは間違いないけど、
予備知識として持っていた「初心者向け」とは思えず、
「果たしてこの上は、目指す青麻山なのかどうか」すら不安に。
もしここで何らかのトラブルに遭っても、
現在地点を連絡することも出来ない不安もあります。
なんとしてもとりあえず上までいかねば。
不安ながらも、森は美しく、
どんどん眺望も良くなってきます。
そして幸いにも、頂上は「青麻山山頂」でありました。
山頂からは、登りの疲れも吹っ飛ぶ絶景でした。
水田に水が入り、キラキラ光っています。
遠く太平洋まで見渡せます。
絶景を見て疲れも吹っ飛んだところで、
続けてあけら山山頂を目指す。片道30分。
「藪漕ぎ」とはこのことか、と思いました。
両脇にクマザサが鬱蒼と茂る狭い登山道を
ストックでかき分けながらアップダウンを進みます。
一輪だけ、シラネアオイが咲いていました。
ずっと小さなスミレの群生を見ながらだったので、
圧倒的な存在感でした。
あけら山山頂に到達。
展望はききませんが、山頂はこれで9つめ!
これから山菜とりに山に入るという男性3人と出会いました。
あけら山は「クマがいっぱいいる」ので有名みたいです。
私たちもクマ鈴つけていましたが、
彼らは大音量で腰にラジオをつけていました。
「クマ、いるよー」という話を聞いてとても怖かった。
山に入る彼らを見送り、もときた藪の中を帰る。
クマ、出ませんように、出ませんように。。。
途中、こんなものを夫が見つけました。
木の枝に突き刺さっている、小鳥かなにか小動物の、ガイコツ。
思いだすのは、「モズのはやにえ」。
モズは、蛙や小動物などのえさを、
木の枝に突き刺して保存する習性があります。
推測ですが、たぶんその食べ残しか、
刺したまま忘れられて白骨化したのではないかと。。。
青麻山頂に戻り、帰りはメインルートの登山道からおりました。
なだらかに整備された、見晴らしの良い登山道で、
標識もあり、確かに初心者向け。
子供たちの遠足でも登れそうな、歩きやすい道です。
こちらから登れば、まったく易しく登頂できるはずです。
でも往復で違うルートを歩けたのはそれはそれでラッキーだったかも。
途中にある大岩。
大岩からの眺め。
そして、目的のひとつであった「花畑」も、
こちらの登山道の途中にありました。
ニリンソウの花畑。
メインルートを登る人たちは、
この「無線中継所」に車を停めて歩きます。
4~5台の駐車スペースがありました。
ここだと、案内板のある町道から、かなり上まで車で登ってこれます。
さて、私たちの車は、当然ここには停まっていません。
愛車ストリームが気をきかせてここまで迎えに
来てくれていないかな、などと無駄なことを考えたりしました。
徒歩で町道までの山道を降りるしかありません。
私たちが車を駐車した地点まで、
いったいどれくらいあるのか、見当もつきませんでした。
無線中継所を12時半に出発。
長い長い道のりを歩き、足はまめと靴ずれで悲鳴を上げます。
途中、道路に座りこんでテーピングを巻き、
私はテーピングだらけになった足で必死に夫の後を追う。
食事もとらずに半泣き状態で歩き続け、車に戻れたのは14時でした。
ちなみに、これが下別当の案内板。
赤い矢印がメインの登山ルート。
私たちの歩いた、山一周ルート。
通算5時間。
地図を見れば歩いてきたルートが一目瞭然ですが、
私たちはこの案内板を素通りして登り始めたため、
自分たちがどのあたりにいて、
どのように歩いているのかが
さっぱりわからない状態だったのです。
無線中継所を出てからの長い道のりを、
夫と励ましあいながら歩きました。
私は体力的にも限界で、
物理的に「歯を食いしばって歩く」ってこと、
日常ではあんまり経験しないよなあ、
学生時代以来かな、
なんて朦朧してくる意識の中で思いました。
でも、この先なにか辛くて苦しい状況に陥っても、
夫となら歩いて行ける、と改めて確信しました。
車に戻ってから、麓の蔵王チーズ」に行き、
レストランで、エビピラフを食べました。
エビピラフを口に入れながら、
ひとつの山を二人で登り、
現在地点がわからない不安の中を
歩き続けたことを思い出していると、
涙がぽろぽろこぼれてきて、
泣きながらエビピラフを食べました。
涙の理由は自分でもはっきりとわからないけど、
ほっとしたのと感動したのと、両方かもしれません。、
忘れられない山歩きになりました。
これからは低山だからと甘く見ず、
ちゃんと頭の中に地図を入れ、
綿密な登山計画を立てたうえで歩きはじめよう、
と学んだ一日でもありました。
am9:05登山口
【青麻山/標高799.5m
あけら山/標高810m
蔵王連峰の東側にある、ふたつの山。
東に青麻山、西にあけら山があります。】
今回は、これまで以上に記憶に刻み込まれた
山歩きになりました。
いつも登る山は夫が探してきて、
「今週末はどこどこに行こう」とプランが決まるのですが、
今回は私が「青麻山に行きたい!」と決めて、決行した山歩き。
だからとっても楽しみでした。
しかし、綿密な計画や下調べをせずに、
低山だから行けばなんとかなるだろう」
という気持ちで歩き始めたのが間違いの始まり。
片道1時間あれば登れる青麻山登山で、
私たちはスタートから通算5時間歩きづめ、
という、後半は「軽く遭難状態」に陥るはめになったのでした。。。
前半は順調でした。
白石ICを降りて、下別当を目指して長閑な里山を走ります。
バイパスから離れると、登山道の案内板があるという下別当まで、
コンビニがひとつもないので、
ICを降りたらまず、バイパス沿いのコンビニで、
スポーツドリンクの調達やトイレなどを済ませたほうがいいです。
私たちは、下別当まで行ってしまってから、
7~8㎞バイパスまで引き返し、時間のロスになりました。
さて、下別当の案内板に再び到着。
(赤字は筆者記入)
「現在地」とあるところが、案内板のある場所。
私たちはこの案内板の右手にある道からもっと上に、
車で登っていき、林道脇に駐車して、登り始めました。
最初からちょっと歩きごたえのある道を登りたい人には
変化に富んでいて楽しく、絶好のルートだと思います。
トレッキング愛好者にとっては、
そんなに難解な道というわけではない。
ただ、「初心者向け」だと勘違いしたまま登ると、
疑問と不安がプラスされて、余分な疲労をすることになります。
案内板をよく見ればわかったことなのですが、
メインの登山ルートというのは、
この案内板からIC方面に戻ったところにあります。
(両登山口の間に老人ホーム「楽園ケ丘」あり)
メインルートでは、「無線中継所」に車を停めて歩きはじめます。
「無線中継所」はかなり上のほうにありますが、
そこまで車で行けるわけです。
来る前に、青麻山登山を記録した他のブログで、
『登山口をはいったところに「花畑」があって、いろんな花が咲いている。』
という情報を読んでいたので、花畑がとても楽しみだった私。
登山道も整備されていて初心者向け、
ファミリー向けの易しいコースだと書いてありました。
それはメインルートの話だったのですね。
前半はスギ林を抜け、緑溢れる爽やかな森の中を歩き、
ニリンソウもたくさん咲いていて、
とってもマイペースで歩けました。
鳥の声や緑が気持ちいい。
こんな場所も、わくわくします。
群生するニリンソウ。
ヤマブキ。
ヤマツツジ。
しかし次第に勾配が急になり、
気を緩めると転げ落ちそうな登りが始まります。
「これ、ホントに初心者コースかなあ?」
と、まず夫が疑問を感じ始めました。
「う~ん。。。」と私も自信がない。
「初心者」とは意外にハイレベルなことをいうのかもしれない、
などとテキトーに思いつつ、汗だくで登ります。
でも次第に「ルートを間違った」と確信に近くなり。
登山ルート上に「電波塔」というものがあるはずなのに、
明らかに左手下方の別の山腹に見えているし、
頂上までの案内標識が、各所各所でたっているということだったのに、
そんなものは一切ない。
ちゃんと道がついているので登山道であることは間違いないけど、
予備知識として持っていた「初心者向け」とは思えず、
「果たしてこの上は、目指す青麻山なのかどうか」すら不安に。
もしここで何らかのトラブルに遭っても、
現在地点を連絡することも出来ない不安もあります。
なんとしてもとりあえず上までいかねば。
不安ながらも、森は美しく、
どんどん眺望も良くなってきます。
そして幸いにも、頂上は「青麻山山頂」でありました。
山頂からは、登りの疲れも吹っ飛ぶ絶景でした。
水田に水が入り、キラキラ光っています。
遠く太平洋まで見渡せます。
絶景を見て疲れも吹っ飛んだところで、
続けてあけら山山頂を目指す。片道30分。
「藪漕ぎ」とはこのことか、と思いました。
両脇にクマザサが鬱蒼と茂る狭い登山道を
ストックでかき分けながらアップダウンを進みます。
一輪だけ、シラネアオイが咲いていました。
ずっと小さなスミレの群生を見ながらだったので、
圧倒的な存在感でした。
あけら山山頂に到達。
展望はききませんが、山頂はこれで9つめ!
これから山菜とりに山に入るという男性3人と出会いました。
あけら山は「クマがいっぱいいる」ので有名みたいです。
私たちもクマ鈴つけていましたが、
彼らは大音量で腰にラジオをつけていました。
「クマ、いるよー」という話を聞いてとても怖かった。
山に入る彼らを見送り、もときた藪の中を帰る。
クマ、出ませんように、出ませんように。。。
途中、こんなものを夫が見つけました。
木の枝に突き刺さっている、小鳥かなにか小動物の、ガイコツ。
思いだすのは、「モズのはやにえ」。
モズは、蛙や小動物などのえさを、
木の枝に突き刺して保存する習性があります。
推測ですが、たぶんその食べ残しか、
刺したまま忘れられて白骨化したのではないかと。。。
青麻山頂に戻り、帰りはメインルートの登山道からおりました。
なだらかに整備された、見晴らしの良い登山道で、
標識もあり、確かに初心者向け。
子供たちの遠足でも登れそうな、歩きやすい道です。
こちらから登れば、まったく易しく登頂できるはずです。
でも往復で違うルートを歩けたのはそれはそれでラッキーだったかも。
途中にある大岩。
大岩からの眺め。
そして、目的のひとつであった「花畑」も、
こちらの登山道の途中にありました。
ニリンソウの花畑。
メインルートを登る人たちは、
この「無線中継所」に車を停めて歩きます。
4~5台の駐車スペースがありました。
ここだと、案内板のある町道から、かなり上まで車で登ってこれます。
さて、私たちの車は、当然ここには停まっていません。
愛車ストリームが気をきかせてここまで迎えに
来てくれていないかな、などと無駄なことを考えたりしました。
徒歩で町道までの山道を降りるしかありません。
私たちが車を駐車した地点まで、
いったいどれくらいあるのか、見当もつきませんでした。
無線中継所を12時半に出発。
長い長い道のりを歩き、足はまめと靴ずれで悲鳴を上げます。
途中、道路に座りこんでテーピングを巻き、
私はテーピングだらけになった足で必死に夫の後を追う。
食事もとらずに半泣き状態で歩き続け、車に戻れたのは14時でした。
ちなみに、これが下別当の案内板。
赤い矢印がメインの登山ルート。
私たちの歩いた、山一周ルート。
通算5時間。
地図を見れば歩いてきたルートが一目瞭然ですが、
私たちはこの案内板を素通りして登り始めたため、
自分たちがどのあたりにいて、
どのように歩いているのかが
さっぱりわからない状態だったのです。
無線中継所を出てからの長い道のりを、
夫と励ましあいながら歩きました。
私は体力的にも限界で、
物理的に「歯を食いしばって歩く」ってこと、
日常ではあんまり経験しないよなあ、
学生時代以来かな、
なんて朦朧してくる意識の中で思いました。
でも、この先なにか辛くて苦しい状況に陥っても、
夫となら歩いて行ける、と改めて確信しました。
車に戻ってから、麓の蔵王チーズ」に行き、
レストランで、エビピラフを食べました。
エビピラフを口に入れながら、
ひとつの山を二人で登り、
現在地点がわからない不安の中を
歩き続けたことを思い出していると、
涙がぽろぽろこぼれてきて、
泣きながらエビピラフを食べました。
涙の理由は自分でもはっきりとわからないけど、
ほっとしたのと感動したのと、両方かもしれません。、
忘れられない山歩きになりました。
これからは低山だからと甘く見ず、
ちゃんと頭の中に地図を入れ、
綿密な登山計画を立てたうえで歩きはじめよう、
と学んだ一日でもありました。
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