MIFさんと山梨県に行きました。
この時期に県外へ行っていますので、ご不快に思われる方はこの先をお読みにならないことをおすすめします。
また今回は写真多めですので、お読みになる方はお暇な時にお読みください。
中央高速道路の釈迦堂PA(下り)から撮影。
車をPAに停めたまま訪れることができる釈迦堂遺跡博物館に行きました。
ただし階段でしか移動できないので、車椅子や足が不自由な方はこのルートは使えません。
一般道からなら博物館前に駐車場があります。
高速道路の敷地との境にあるフェンスには、土偶の装飾があります。
博物館からの眺めはこんな感じ。
眼下に釈迦堂PAがあって、奥に甲府盆地が広がります。
今回の目的は、釈迦堂遺跡の土器。
水煙文土器といって、縄文時代中期の文様です。
新潟県十日町市の火焔式土器とはちょいと似ていますが、こちらは水煙式。
ポケモンカードならぬ縄文土器カードが作れそう…。
これは写真では何度も見ている有孔鍔付土器。
何のために孔や鍔があるのか、イマイチ判明していないのは、私が学生時代から変わっていません。
皮を張って太鼓、発酵用の孔として酒醸造、意味が分からないから儀式用など、多様な説がありますが、決定打がありません。
ガラス越しでも、始めて本物を見るとやはり迫力が違いました。
釣手土器。
現代でも盛り籠で通用しそうな姿です。
縄文土器には芸術家の岡本太郎さんがご執心されていたと聞きます。
ちょいと納得させられるような造形の豊さを感じさせられました。
ここの博物館は日本一土偶が多いこと。
日本で発見されている土偶の1割がこの釈迦堂遺跡から発見されています。
通称「土偶の聖地」。
中でも土を握っただけの塊が出土しているのには目を見張りました。
そのうちの1つがとても小さいので、子どもが作ったと考えられています。
すると縄文時代であっても、親がやっていることを真似しようと子どもがだだを捏ねる姿、その姿に仕方なく少量の粘土を子どもに分けて何しらを作らせようとする親の姿を想像できて微笑ましかったです。
これまでに何度も通過している釈迦堂PAで、直結で博物館に行けることも知っていましたが、初めて訪れました。
MIFさんは展示室が少ないのに入館料が400円はちょいと高いと感じたそうですが、イヤイヤどうして、土器と土偶の造形の面白さを考えたら、妥当だと思うよ…と、歴史好きの私は感じました。
ちなみに来館者が本当に少ないです。
採算が合わないんじゃあないかな?っていうくらいです。
ここからほんの少し離れた場所で桃狩りをしました。
いやはや、今の時期の山梨県は桃です。
こちらは広い畑とはいえ、これまた人が思っていたよりも少ないです。
桃のトップシーズンに駐車場が半分も埋まっていないだなんて、想像もしていなかったです。
さて、今回は信玄公生誕500年で盛り上げようとしている甲府市には行きませんでした。
ここから御坂みちを通って河口湖に向かいました。
一度行ってみたかった山梨宝石博物館に行きました。
ここは入館料600円ですが、割引券で500円です。
博物館内はこんな感じ。
1つのケースに原石、加工したジュエリーが種類ごとに展示されています。
パール(真珠)。
コーラル(珊瑚)
パールとコーラルは、化学式で表記すると全く同じ。
これにはビックリしました。
アンバー(琥珀)。
これもジュエリーか…、樹脂だけれどジュエリーなのか、鉱物とは限らないことに感心しました。
ジュエリーとは、希少性、硬度、大きさがその価値を決めるそうです。
漫画「宝石の国」では、宝石が擬人化した物語なのですが、もう一度読みたくなりました。
「赤毛のアン」好きなら、紫水晶のブローチは外せないアイテムです。
この紫色にマリラは神秘性を見いだしていたし、アンも心引かれたことで事件が起こってしまったのだけれど。
日本式双晶。
日本でしか採れない形の水晶で、ハート形なのが人気だそうです。
私には指ハートに見えるけれど。
紫水晶の塊。
水晶の塊。
こういう形をクラスターといいます。
まさに放射状に広がっていて、当初COVID-19の感染でクラスターと言われてもこの塊を思い出していました。
洞窟を再現している展示。
白く輝くのは水晶で、高さ1.8メートルもあります。
ここまでが有料エリア。
無料エリアにはジュエリーショップコーナーがあります。
ここで安心していただきたいのは、このジュエリーショップコーナーの店員さん達は積極的に販売の声がけをしません。
あくまでも博物館内のショップだからです。
そして一番お安いものは奇石の置物200円~。
アクセサリー類や原石なども豊富にありますが、一番お安いアクセサリーは1,000円くらいからで中心価格帯が3千円~7千円くらい。
しかも手に取って試せます。
そしてガラスケースに入っているものはだいた1万円~。
一番高価なモノで150万円ほどでした。
ここは声がけがないので、じっくり展示物を眺められるとあって、つい私も見入ってしまいました。
私は、普段からアクセサリーを身につけないので欲しいという気持ちは全然起きなかったのですが、とてもキレイだとは思っています。
とくにアクセサリーのデザインは面白いです。
山梨県はジュエリー産業が盛んなので、宝石関係の博物館等もいくつかあります。
私のオススメは、甲府駅からも徒歩で行ける山梨ジュエリーミュージアムです。
今回初めて来ましたが、この山梨宝石博物館も同じくらいオススメです。
私はこれまで、山梨県は水晶の産地だからジュエリー産業が盛んだと思っていました。
それも一理あるのですが、最初は京の細工師が原料仕入れのために甲斐国を訪れ、その人が宿屋の人に加工技術を伝授したことが始まりだったそうです。
甲斐国では、当初は高度な加工技術がなかったから、原料提供しかできなかったのか、と驚きました。
原料提供しかできないと、収入が低いんだよな、と。
ちょいと経済や産業について考えさせられました。
さてここから、富士吉田市にある富士山世界遺産センターに行きました。
以前は有料エリアがあったそうですが、現在すべて無料になりました。
富士山は、世界遺産への登録では文化遺産です。
自然遺産では登録できなかった過去があります。
しかもいたるところに「いつまでも富士山を世界遺産に」という標語があります。
もしかして、世界遺産への登録継続が難しくなってきているのかな?と思わずにはいられません。
世界遺産はその価値を維持しているか、5年に一度審査があります。
海外ですが、過去には世界遺産よりも市民生活を優先させて川に架橋したところ、登録取り消しになった都市があります。
富士山は、ごみ問題と隣り合わせの世界遺産でもあります。
富士山の普遍的な美しさも、次の噴火では失われると言われています。
今、この時代に美しい富士山を見られるのは、偶然に過ぎません。
今回も遠くまで連れて行ってくれて、MIFさんありがとうございました。