2日の朝、大きな雨音で目が覚めました。
窓越しに日が差してきたので、雨が止んだのか?と思いきや、依然雨は降っています。
ようやく雨も上がり、
昼頃、今回の金沢行き唯一の観光、予約した忍者寺に向かいました。
今日は、昨日と違って風があり、冷たいです。
観光バス2台から降りて来た学生さんたちの団体が前のグループ。
私たち2時のグループは十数名。
忍者寺巡りは40分ほど。女性が案内してくれます。
拝観は定員に満たなければ、当日の飛び込みでも大丈夫ですが、予約した方が確実です。
ひんやりした堂内、足が冷たい。薄暗さとは対照にストーブの炎が…。
思わず近づき暖をとります。
ここ妙立寺 、人呼んで忍者寺ですが、伊賀・甲賀の忍者とは違います。
それは、寺の複雑な建築構造を示しているのです。
幕府からの公儀隠密や外敵の目を欺くために装備されたもので、堂内のあちこちは迷路のようになっていました。
「ここで置いていかれたら、もとに戻れないね」そんな声があちこちで聞こえてきました。
徳川幕府は名実ともに日本全国を統一するために、些細なことでも理由に多くの諸大名を取りつぶした頃、
加賀三代藩主前田利常は、バカ殿様を演じる一方で、多くの武士が起居できる寺院群を現在の寺町に新築しました。
その中心で敵からの監視の役割を持つのが、この忍者寺なのです。
幕命では、3階建て以上の建築は禁止。ここは外観は2階建てですが、内部は4階建て七層になっています。
中二階、中々二階など部屋数23、階段が29と本当に複雑。梁なども木の曲がり具合を利用して台風や風雪に耐えられる頑強な構造です。
風流な太鼓橋も堂内にしつらえてあります。橋の上から水をくみ上げて茶をたてた。加賀百万石の趣向だそうです。
望楼 は見張り台です。
本堂正面入り口には仕掛けさい銭箱が埋め込まれています。緊急時はそれが落とし穴として利用できたわけです。
堂内は撮影禁止なので、これは許可を得て外から撮りました。灯り取り階段 は障子紙が貼ってあり、敵が来れば察知でき、中から槍で突くことができます。
普段は灯り取りとしても利用でき、先人の知恵には驚かされることばかりです。
茶水用の大井戸は、25mの深さがあり、水面には横穴があって金沢城まで続き、逃げ道になっていたそうですが、それを確認した物は誰もいないそうです。
ここにはまだまだいろいろな仕掛けがありますが、金沢城の出城としての要素を十分満たしていたお寺さんです。
妙立寺(みょうりゅうじ)の拝観料は中学生以上800円です。