♦️967『自然と人間の歴史・世界篇』新型コロナ禍下での各国の給付行政(2020~2021)

2021-05-28 19:12:25 | Weblog
967『自然と人間の歴史・世界篇』新型コロナ禍下での各国の給付行政(2020~2021)

 1.国民の圧倒的多数が生活困難に見舞われている時(これら二つの状況を満たしている時)に、大方の生活を下支えする方法として、給付行政により給付金を支給するなりすることが、今回のコロナ禍では、各国で行われている。
 その際は、かかる行政によって国民生活に横たわる所得格差を少しでも是正する観点から、一律給付ではなく、所得や規模などに応じて給付に差を設けることが行われている。
 また、諸般の事情から、一律給付を選択している国・地域も見受けられる。
 どちらが望ましいかは、一概には言えないようである。
2.一般的には、給付行政には、一定の金額を国民に支給する場合・方法と、下支えしたい(守りたい)と考える要素を無償で給付・提供する場合・方法とがありうる。
 どちらによるのがよいか、また、その具体的な給付の在り方については、その国と地域、その時の状況(かねてからのものを含む)を見定めて、かつ評価して(国民経済における意味合いを比較考量、特に他の関係する政策との間の調整が必要)、決めているようである。

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 次に、このような場での給付のやり方についての事例を紹介しておこう。インドでは、2009年以来、インド版マイナンバー「Aadhaar(アドハー、アードハールまたはアダール)を段階的に導入。2021年には、13億人超の人口の9割を超える12.5億人が登録をしているとのこと。付番についての法的な義務がないにも関わらず、国民の圧倒的多数が登録している。 その内容としては、生体認証機能が付いている。具体的には、
国民1人1人に固有の12ケタの番号(ID)を割り振る。その上で、それぞれを番号と個人とを顔面認証、(10本の指の)指紋認証、(2つの目の)虹彩認証の3つの生体認証システムを用いて紐づけているとのこと。
 この機能により、ネット上での本人確認が可能・容易となり、今般実施された新型コロナ関連の給付では、Aadhaarに登録した個人あてに、キャッシュレス、ペーパーレスでほぼ間違いのない形で無事割り当てられたようだ。

(続く)

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