先日、電車の中での出来事。
目の前の座席に大口開けて寝てる子供がいて、
やがて立っている俺様の足下に荷物を落としたから、
「僕、荷物落としたよ」
と、寝てる子供をゆすり起こし、荷物を拾って上げたのだが、
目を覚ました子供は俺様の手から荷物を奪い取り、無愛想にまた寝やがった。
おいおい、拾ってやったのに「ありがと」の一言もないのかい？
ちょっとムッとしたが、まぁいい。子供だからな。
やがて次の停車駅に着くころ、
どこからともなくこの子供の母親らしき女が現れ、
子供を叩き起こしたかと思うと、あっと言う間に電車を降りて行った。
あのガキの母親？ 近くにいたというのか!?
だったら先ほどの一連の出来事を目撃してたはず。
何も感謝されたいから親切にしたワケじゃない。
ただ、ありがと、の一言ぐらいあっても……。
電車に残された俺様はしばし茫然自失。
この何とも言えない気持ちは一体なんなのだろう。
ふと窓を見上げたら、苦虫をかみつぶしたような顔してた。
はぁ、やれやれ。
あの親にしてこの子供あり、か。
何だか悲しいけど。
ウチはまだ子供はいないけど、もし授かった暁には、
いくらバカに育とうと、人に親切にされたら「ありがとう」と言える子供に育てたい。
