『前法務大臣が明かす司法の崩壊』という本を読みました。
全くもって私っぽくない分野ですが、身内に関係する者が
いるので実はものすごく興味があることだったりします。
司法試験といえば難関資格試験の筆頭にあげられる
もので合格率3%台という狭き門でした。
それが法曹人口増大と法科大学院制度を中核とした
司法制度改革の下で2006年から「新司法試験」が始まり、
合格率も一気に48.3%(初年度)にまで跳ね上がりました。
一見すると法曹人口増大と法科大学院制度は素晴らしい
こと のようの思われますが実は大きな問題をはらんでいたのです。
まず問題なのは「新司法試験」の受験資格を得る為には
原則として法科大学院に2年ないし3年通う必要があると
いう点です。
学費と生活費、それに在学中仕事ができないことによる
逸失利益(平均サラリーマンの3年間で換算)を加えると
約2000万円程度の負担を強いられることになります。
大学を卒業後、これだけの金銭的負担 に耐えられる人が
どれだけいるというのでしょうか。今や能力はあっても
社会的・経済的弱者故に法曹にはなれない人が生まれる
一方で、高い合格率の恩恵により能力の劣った者が金で
法曹資格を買うという事態が生じつつあります。
格差社会が法曹資格取得にも反映してきているのです。
第二の問題点は急激な法曹増員と法科大学院制度は
国民にとってデメリットが大きいということです。
一見、弁護士が増えると相談などもしやすくなり
国民にとってメリットであるかのように思いますが
実は大きな落とし穴があったのです。
まず、合格率を一気に上げたことによる「質の低下」
が懸念されています。
司法試験の合格レベルに達する学生が当初の予想を
遥かに下回っている現状で合格者数を増やせば質の
低下は必至です。
質が低下すれば被害をこうむるのは依頼者である
国民なのです。
法曹人口が増えすぎると過当競争による濫訴も
懸念されます。勝ち目のない訴訟を無理やり
勧めるヤブ弁護士も大量に誕生することでしょう。
そうなれば被害をこうむるのはやはり依頼者である
国民なのです。
法科大学院制度は国民の血税により支えられている
ことも忘れてはなりません。
教育能力もないロースクールに毎年多くの税金が
投入されることは無駄遣い以外の何物でもありません。
財政難と無駄遣い廃止が叫ばれる昨今、こんな無駄遣いが
許されてよいものでしょうか?
私はこの本を読んで法曹を目指す人々の人生を
狂わせるだけでなく一般国民にも多くの犠牲を強いる
新制度は間違い以外の何物でもないと痛感しました。
私のような法曹関係者ではない一般国民こそがこの
本を読むべきだと思います。是非一読を!
(※12/4修正しました)
全くもって私っぽくない分野ですが、身内に関係する者が
いるので実はものすごく興味があることだったりします。
司法試験といえば難関資格試験の筆頭にあげられる
もので合格率3%台という狭き門でした。
それが法曹人口増大と法科大学院制度を中核とした
司法制度改革の下で2006年から「新司法試験」が始まり、
合格率も一気に48.3%(初年度)にまで跳ね上がりました。
一見すると法曹人口増大と法科大学院制度は素晴らしい
こと のようの思われますが実は大きな問題をはらんでいたのです。
まず問題なのは「新司法試験」の受験資格を得る為には
原則として法科大学院に2年ないし3年通う必要があると
いう点です。
学費と生活費、それに在学中仕事ができないことによる
逸失利益(平均サラリーマンの3年間で換算)を加えると
約2000万円程度の負担を強いられることになります。
大学を卒業後、これだけの金銭的負担 に耐えられる人が
どれだけいるというのでしょうか。今や能力はあっても
社会的・経済的弱者故に法曹にはなれない人が生まれる
一方で、高い合格率の恩恵により能力の劣った者が金で
法曹資格を買うという事態が生じつつあります。
格差社会が法曹資格取得にも反映してきているのです。
第二の問題点は急激な法曹増員と法科大学院制度は
国民にとってデメリットが大きいということです。
一見、弁護士が増えると相談などもしやすくなり
国民にとってメリットであるかのように思いますが
実は大きな落とし穴があったのです。
まず、合格率を一気に上げたことによる「質の低下」
が懸念されています。
司法試験の合格レベルに達する学生が当初の予想を
遥かに下回っている現状で合格者数を増やせば質の
低下は必至です。
質が低下すれば被害をこうむるのは依頼者である
国民なのです。
法曹人口が増えすぎると過当競争による濫訴も
懸念されます。勝ち目のない訴訟を無理やり
勧めるヤブ弁護士も大量に誕生することでしょう。
そうなれば被害をこうむるのはやはり依頼者である
国民なのです。
法科大学院制度は国民の血税により支えられている
ことも忘れてはなりません。
教育能力もないロースクールに毎年多くの税金が
投入されることは無駄遣い以外の何物でもありません。
財政難と無駄遣い廃止が叫ばれる昨今、こんな無駄遣いが
許されてよいものでしょうか?
私はこの本を読んで法曹を目指す人々の人生を
狂わせるだけでなく一般国民にも多くの犠牲を強いる
新制度は間違い以外の何物でもないと痛感しました。
私のような法曹関係者ではない一般国民こそがこの
本を読むべきだと思います。是非一読を!
(※12/4修正しました)