7~8日、南アルプス/仙丈ヶ岳(せんじょうがだけ・3032.6m)のガイドを行いました。
山梨県南アルプス市・長野県下伊那郡長谷(はせ)村。「新日本山岳誌(日本山岳会編著)」によると、「仙丈」の名は、「千丈」「千畳」に共通して「非常に高い、広い」を意味するという。
南北120km、東西40kmに及ぶ赤石山脈、通称南アルプス最北端に位置する3000m峰。大きく、なだらかな山頂周辺に、藪沢(やぶさわ)カール、小仙丈沢カールなどの氷河地形を抱え、その優美な姿は「南アルプスの女王」とも呼ばれています。カールを中心に残雪が遅くまで残り、水量も豊富で高山植物の宝庫に。
■8日?/晴れ時々曇り
北沢峠・長衛荘-藪沢-馬ノ背ヒュッテ-馬ノ背-千丈小屋-千丈ヶ岳-小千丈ヶ岳-藪沢大滝ノ頭-北沢峠
(所要8時間53分)
4:10 ヘッドランプを点けて出発。
5:27 東、仙水峠(せんすいとうげ)からの朝陽。
標高約2300m、藪沢沿いに残る雪渓。長さ100mほど。通行には支障なし。
タカネグンナイフウロ(高嶺郡内風露/フウロソウ科)が見ごろ。
振り返ると…
北沢峠を挟んで対峙する甲斐駒ケ岳(かいこまがたけ・2967m)が大きい。
馬ノ背の稜線から、南正面に仙丈ヶ岳山頂(真ん中やや右の台形状ピーク)と藪沢カールを望む。
北には…
波のように押し寄せる雲海上に、北アルプスの山並み。写真奥やや左の高くなっている部分が槍・穂高連峰。
8:45 山頂着。平日にも関わらず賑やか。気温18℃。
南東方向で…
日本第一と第二の高峰が揃い踏み。富士山と北岳(きただけ・3193m=右)。
足元に…
ミヤママンネングサ(深山万年草/ベンケイソウ科)
タカネツメクサ(高嶺爪草/ナデシコ科)
いずれも、亜高山~高山帯の岩礫地や砂礫地など厳しい環境に、へばりつくように生育する種類。小さいながらも、強い生命力に頭が下がります。
小千丈ヶ岳へ続く稜線から見下ろす藪沢カール。
この典型的な「お鉢」の姿が、穂高岳の涸沢カール、立山の山崎カールとともに、日本三大カールに数えられています。
小千丈ヶ岳(こせんじょうがたけ・2864m)を経て下山。バックは甲斐駒ケ岳。
今回も、仙丈ヶ岳に登るには時期尚早の参加者が目立ちました。根本的な体力不足で、“目いっぱい”で登っている状態。自然が相手の登山では、天候の急変、落石、転・滑落…予測不可能なことが起こります。その時、体力にゆとりがないと対応することができません。とりわけ中高年者は、日々のトレーニングで体力・筋力の向上を心がけるとともに、決して無理をせず、1/3の余力をもって山に臨んでほしいものです。
足が攣ったら薬を飲み、自ら地図も見ない、場当たり的で人任せな姿勢が多いことも気になります。「仙丈ヶ岳は易しいから」(参加者の一人)…3000m級の山を舐めてはいけません。
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