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多摩の暮らしと山のブログ

北アルプス/白馬岳の花と自然

2015-08-20 09:10:44 | 自然のこと
7月末に訪れた、北アルプス/白馬岳(しろうまだけ・2932.2㍍)の花と自然をご紹介。

北アルプスは、長野・岐阜・富山県にまたがり、壮年期の3000m級の高峰が連なる日本を代表する山岳地帯。飛騨山脈とも呼ばれ、槍・穂高、剱・立山、後立山の急峻な連峰が、南北100㎞以上にわたり連なる。ハイマツに代表される多種類の高山植物、動物では「氷河時代の生き残り」ライチョウのほか、イヌワシやニホンカモシカなど希少生物の生息場所にもなっており、全域が中部山岳国立公園に指定されている。



白馬岳は、飛騨山脈の北端にあり、後立山連峰を代表するピーク。山名の由来は、雪解けのころ山の右手に出る「代掻き馬」の雪形による。信州側の村人たちは、この雪形を代掻きや田植えを始める目安にしてきた、という。
(上の写真は、白馬三山の杓子岳=手前、と鑓ヶ岳=奥)



『新日本山岳誌』(日本山岳会編著)によると、地形的には、東の信州側は、フォッサマグナ西縁の断層により急激に隆起した上、氷河による浸食もあり急峻な崖状になっている。一方で、西側は緩斜面になっており「非対称山稜」をなす。



また、日本海に極めて近い高峰のため、積雪量が特に多く、夏でも白馬大雪渓に代表される豊富な残雪と高層湿原が発達。



湿地帯から風衝草原まで環境も多様で、南アルプス(赤石山脈)の北岳(きただけ・3193㍍)と並んで高山植物種が多く、日本のそれの8割が見られる、といわれている。氷河期の遺存種が残り学術的にも貴重であることから、国の特別天然記念物にも指定(1952年)。

以下は、今回出逢った植物たちです。(一部)


アカモノ(赤物/ツツジ科)


タテヤマリンドウ(立山竜胆/リンドウ科)


リンネ草(スイカズラ科)。

名前の由来は、スウェーデンの植物分類学者リンネから。


コマクサ(駒草/ケシ科=手前のピンク)とイワツメクサ(岩爪草/ナデシコ科=奥の白)


タカネナデシコ(高嶺撫子/ナデシコ科)


ハクサンフウロ(白山風露/フウロウソウ科)


イワオウギ(岩黄耆/マメ科)


ミヤマダイモンジソウ(深山大文字草/ユキノシタ科)


ミヤマクワガタ(深山鍬形/ゴマノハグサ科)


クモマミミナグサ(雲間耳採草/ナデシコ科)


ミヤマタンポポ(深山蒲公英/キク科)


ミヤマアズマギク(深山東菊/同)。分布は局所的。


ハクサンコザクラ(白山小桜/サクラソウ科)



チングルマ(稚児車/バラ科)の花(上)と果穂(下)。


ニッコウキスゲ(日光黄菅/ユリ科)


ルリトラノオ(瑠璃虎の尾/ゴマノハグサ科)


サンカヨウ(山荷葉/メギ科)の果実。

口に入れると、甘酸っぱくてなかなか美味。


キヌガサソウ(衣笠草/ユリ科)


ミズバショウ(水芭蕉/サトイモ科)


キンコウカ(金黄花/ユリ科)


オオレイジンソウ(大麗人草/キンポウゲ科)


エゾアジサイ(蝦夷紫陽花/ユキノシタ科)



















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