10/4(月)~6(水)の三日間、新潟県妙高市の妙高山(みょうこうさん)と火打山(ひうちやま)へ行きました。
豪雪を誇る日本海側の山。豊穣の森林(もり)と池糖(ちとう)、そして太平洋側よりもひと足早い紅葉が織りなす山岳景観…北の大地ならではの厳しい自然の中に、繊細な美しさが溢れていました。
《前編》と《後編》に分けての報告です。
今回のパートナーは、山仲間のI氏。大学のワンゲル出身で毎年この時期、一緒に縦走登山を楽しんでいる♂です。
前日3日夜、新宿発の夜行バスでJR長野駅へ。4日朝一の信越本線に乗り換え、関山(せきやま)駅から登山口の燕(つばめ)温泉へバスで入る予定だったのですが、(予想通りの)雨に。
お互いに仕事で疲れ気味のI氏と、阿吽(あうん)の呼吸で?予定をあっさり変更。初日は、温泉宿でのんびりと静養することとしました(笑)。この気楽さが、嬉しいところです。
結局4日は、一つ手前の妙高高原駅で下車。自然情報などを仕入れるために、妙高高原ビジターセンターを訪れました。
朝8時前の妙高高原駅。この時点では、雨はまだ降っていません。
最初の嬉しい発見!
バスの車体に戦国の名将・上杉謙信が。そう、新潟県といえば「越後の龍」。謙信の拠城だった春日山城(かすがやまじょう)は、ここから直線距離で北に約30kmの上越市内にあります。以前から訪れたい!場所ではありますが、今回は日程の都合でお預けです。
別の周遊バスに乗って、ビジターセンターへ向かうころ…
本降りの雨に。西側前方には、明日登る妙高山塊が雲の中に見え隠れしていました。
同市池の平にある妙高高原ビジターセンター。この周辺は、日本で2番目の面積(約188000ha)を持つ上信越高原国立公園です。
中はこんな感じ。平日ということで入館者もまばら。常設展示のみで、季節ごとの展示は特にしていないようでした。
新潟は、国内屈指の豪雪地帯。この妙高高原(標高750m)周辺でも、昭和の初めころには5mを超える積雪量があったようですが、最近は多くても3m前後。雪国ならではの生活道具の展示と、妙高山系から絶滅した植物(ラン科のジガバチソウ、エビネ、アツモリソウやユリ科のヤマユリなど-希少種については盗掘が主な原因らしい)の紹介『自然が危い』が印象的でした。
昼過ぎまでビジターセンターでのんびり過ごした後…
本日の宿、燕温泉「燕ハイランドホテル」へ移動。畳と、温かい温泉に羽毛布団で、明日に備えて英気を養いました。この宿、妙高山・燕登山道入口近くにあり、素泊まり¥3150(税込)は登山者にとって魅力!おススメです。
5日。
長野県・志賀高原方面から、待望の朝陽です。
朝6時、標高約1070mの宿を出発しました。
車道脇にブナ(橅/ブナ科)の高木が普通にあることに、「さすが本場」と妙に感心。
登山口で登山届を提出。I氏はワンゲル出身だけあって、いつも緻密な計画書を作成してくれます。皆さんも、登山計画をきちんと立てて、提出しましょう。
西側前方に…
青空の下、目指す妙高山(2445.9m)が高い。
足元にはいきなり…
ウメバチソウ(梅鉢草/ユキノシタ科)の群落。花はほとんど終わっていますが、こんなにワサワサと生育しているのを、私はかつて見たことがありません。
宝石のような…
トモエシオガマ(巴塩竃/ゴマノハグサ科)
と…
マイヅルソウ(舞鶴草/ユリ科)の果実
今回同行のI氏は植物大好き人間。お互いに、なかなか前へ進めません(笑)。
目を上げると…
火山の妙高山(写真左端)と、北側にはそれを取り巻く大倉山(2171m)などの外輪山が見えています。 つまり、足元に切れ落ちた北地獄谷などは、巨大な噴火口・カルデラの一部。こう考えると、スケールが大きいです。
ぼちぼちと色づき始めの中腹を過ぎ、標高1900m辺りまで来ると…
錦繍(きんしゅう)の始まりです。
豪雪地帯によく見られる池糖(ちとう=湿原にある小さな池)との競演。
ダケカンバ、ミネカエデ、ハウチワカエデ、ナナカマド、オオカメノキ…地面が紅や黄色に染まって見えるほどの、噂どおり見事な紅葉です。
二人で歓喜の声を上げつつ、標高2250m付近の森林限界を抜けると…
妙高山頂上直下の岩場。
妙高大神(上杉謙信に見えてしまうのは私だけでしょうか?)が祀ってある南峰(2454m)を経て…
登山口から約4時間半の11時ころ、一等三角点のある妙高山山頂(2445.9m)に到着。気温10℃。少し前からガスに覆われ始め、残念ながら眺望は得られません。
平日ということもあり、出会った登山者は10人ほど。百名山のピークだけに、これから紅葉シーズン本番に向けて、特に休日は混雑しそうです。
ここから、本日の幕営地である高谷池(こうやいけ)ヒュッテに向かいます。
今日の核心。標高差で約400m、ロープのかかった急な下りが続きます。
途中で見かけた…
花と葉の形から、群馬県北部~妙高・火打のある頸城(くびき)山塊に生育する固有種ミョウコウトリカブト(妙高鳥兜/キンポウゲ科)?と、I氏とともに色めきたったのですが、確信が持てませんでした。
どなたかご存知の方がいたら教えてください。
紅葉と池糖が美しい場所に佇む黒沢池ヒュッテを過ぎます。
そして妙高山頂から4時間弱…
14時50分、高野池ヒュッテ着。収容人数80人、昔ながらの小じんまりとした雰囲気です。1泊2食¥6500(素泊まり¥4000)も昔ながらのお値段。気に入りました。
テン場(¥400/人)も快適。すっかり怪しくなった空模様を気にかけながらテントを張り終えて、まずは水を確保。そして、小屋でビール(¥500/350ml缶)を購入すると、そそくさと中に潜り込みました。
本日のおつまみ。
(写真左上から左回りに)サバのおろし焼き缶詰、たくあん、梅干しと子持ち昆布、そしてとっておきイノシシ肉の缶詰。どれも、テント泊のささやかな贅沢です(笑)。
メーンディッシュは…
特製ちゃんこ鍋。単に肉の代わりに粗引きソーセージ、おでんでお馴染みのはんぺんも入っているのがミソです。山で定番のマロニーちゃんも。旨かった…。
例年の如く、ビール片手にI氏とバカ&少しまじめな話しに花が咲き、楽しい夜は更けていきました。
《後編》につづく-
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