2日、中央自動車道・笹子トンネル上り線で発生した天井崩落事故は、山梨・中部方面での仕事の際いつも通る場所だけに、他人事とは思えませんでした。NHKラジオなどによると、本日10:30現在亡くなられた方は9人、行方不明者1人。
1977(昭和35)年の開通以来、大規模な改修工事はされておらず、老朽化していた可能性があるとのこと。今年9月には、天井板の上に作業員が入り目視点検していたということですが、本当に「異状がなかった」(中日本高速道路)とすれば、こんな惨事は起こりえなかったはず。
私は今回の事故を知った時、1991(平成3)年、当時建設中だった広島新交通システム橋桁落下事故を思い出しました。重さ60tもの鋼鉄製の橋桁が作業中に落下し、乗用車など11台を押しつぶし23人が犠牲になった悪夢。思いもよらぬ形で、突如として悲劇に見舞われた方々やご家族のことを思うと、何ともやり切れない気持ちになったのを覚えています。それは、明らかに人災でした。
今回も管理者側に、日常生活で陥りがちな“慣れ”や“惰性”がなかったのか…自然の障壁ともいえる大菩薩連嶺(だいぼさつれんれい)をぶち抜いて造られた笹子トンネルだけに、自然の力を侮ることなく、点検や管理作業をもっと丹念に、頻繁に行う必要があったのではないか…?同時に、実は他のトンネルも「危ない」のではないか…?と疑いたくもなります。
この種の事故が起きるたびに、それが未然に防げなかったことへの悔しさを感じる一方で、「犠牲が出ないと腰を上げない」行政や当事者の姿勢が気にかかります。特に、人の命や安全を預かる立場の者は、自分たちの仕事のミスがどのような事態を引き起こすのか、それを防ぐためには何をなすべきなのか…プロとしていま一度原点に立ち返り、想像力を駆使して考えてほしい。自戒を込めて、そう思いました。
お亡くなりになられた方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
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