9/18(土)~20(月・祝)の3日間、北アルプス・穂高岳(ほたかだけ、長野県松本市・岐阜県高山市)へ行きました。
《前編》と《後編》に分けての報告です。
メンバーは、山岳同人K代表のT氏と私の2名。
ルートは、<上高地‐涸沢‐前穂北尾根‐奥穂高岳‐西穂高岳‐上高地>の予定でしたが、最終日の20日早朝から雨となり西穂への縦走は断念、涸沢経由で上高地へ下山しました。
穂高岳は4度目。前回2002年5月、天候に恵まれず敗退した前穂北尾根を、無積雪期ではありますが、8年の時を経てトレースすることができました。同時に、わずか数年の間に大きく様変わりした「岩と雪の殿堂」の姿を目の当たりに…。
前夜、松本市の沢渡(さわんど)までT氏の自家用車で行き仮眠。翌18日、朝一のシャトルバスで上高地へ入りました。
6時過ぎ、槍・穂高方面への玄関口、上高地バスターミナル前(標高1505m)。登山者(観光客ではない)で大賑わいです。それにしても多すぎ?この予感は、後に的中します。
気温17℃、高曇りの中6時40分、準備を整えて出発です。本日の予定は、標高約2300mにある穂高のベースキャンプ・涸沢(からさわ)まで。
左手(北西側)には清流・梓川(あずさがわ)と、雲の切れ間から明神岳(みょうじんだけ・2931m)の姿。「日本を代表する山岳景観」を誇る中部山岳国立公園の風景です。
足元には、夏~秋の花・ノコンギク(野紺菊/キク科)が満開。山野に普通に見られる種類ですが、なぜかこの場所ではひと際映えて見えます。
明神、徳沢、横尾を通過、梓川の支流・横尾谷に入ると左手には…
屏風岩。ほぼ垂直の一枚岩が比差約600mの圧倒的な迫力で聳え立ちます。アルパインクライマーにとっては、一度は攀(よ)じりたい岩壁の一つです。(ちなみに私はまだ登れていません…)
屏風岩を過ぎて本谷橋からは、涸沢へのきつい登りが始まります。標高差で約500m。歩道脇の植物たちが、思い思いの秋の装いで疲れを癒してくれました。
オオカメノキ(別名ムシカリ/スイカズラ科)の果実
オオヒョウタンボク(大瓢箪木/同)の果実
(とても愛らしくて美味しそうな実ですが、ヒョウタンボクの仲間は有毒なので絶対に食べないでくださいね!)
モミジカラマツ(紅葉唐松/キンポウゲ科)
癒されながら歩いているうちに…
前方に目指す穂高の峰々が…残念ながら、上半部はガスに覆われて見えません。
上高地から5時間あまり、ちょうど12時に涸沢着。
それにしても出発からここまで、前後に登山者の列が途切れることなく、まるで登山隊のキャラバン(隊列)の中にいるような気分でした。(苦笑)
そそくさとテントを設営したあと…
涸沢ヒュッテ名物の「生ビール+おでん6本セット(1400円)」で乾杯!来て良かった…至福のひと時です。
実は今回の山行、ほぼ全行程がバリエーションを含む岩稜帯ということで、荷物の軽量化にこだわりました。食料はアルファ米とラーメンが中心、行動食もパンや菓子類など…というひもじさ?(小屋での購入を当てにして)当然、ビールもなし。
登攀用具も、(本来は良くないのでしょうが)ロープは8.3mm×50mをシングルで使用することとし、カラビナ・スリングなどのガチャ類も一人4セット以内に抑え、それぞれ50~60Lザックに収めました。重さは16~18kgほどでしょうか。
というわけで、私は山で初めて“生ビール”を飲むことができたのでした。(笑)
南側頭上には…
明日登る予定の前穂北尾根が、ガスの中に見え隠れしていました。写真左側のピークが6峰、右側が5峰。明日はこの二つのピークの間、5・6のコルと呼ばれる場所まで上がり、写真右方向にある前穂高岳頂上へ縦走する形になります。
5・6のコルへのアプローチなどを調べつつ、のんびりと過ごしていた17時ころには…
ウラジロナナカマド(裏白七竈/バラ科)の鈴なりの果実と競うかのように、カラフルなテントの花が咲き乱れていました。かなり密度が高いような気が…?
明日の早発ちに備えて、私たちはアルファ米とレトルトカレーの夕食を早々と流し込み、18時過ぎにはシュラフの中に潜りこみました。
涸沢に咲くミソガワソウ(味噌川草/シソ科)の花
《後編》につづく-
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