3~7日、南アルプス/聖岳(ひじりだけ・3013m)~光岳(てかりだけ・2591m)のサブ・ガイドを行いました。
聖岳は、静岡県静岡市と長野県飯田市にまたがる、日本アルプス最南の3000m峰。その美しい名の由来は、「新日本山岳誌」(日本山岳会編著)によると、かつて東面の聖沢(ひじりさわ)を「へつって(水流沿いの岩場をへばりつくように横に進むこと)」入山したことから「へずる」が転じて「ひじり」となった…ほか、諸説あり。光岳も、2500mの山としては国内最南端。「山頂西に突き出した石灰岩の岩塔が夕日に照らされて“テカリ”と光る」(同誌)ことから名づけられたそう。
光岳周辺は、ハイマツとライチョウ、そして南ア固有種ミヤマムラサキなどの日本南限地(=世界南限地)ともされ、さらにその西面、大井川源流部一帯に広がる温帯落葉樹林と針葉樹林~ハイマツ帯に至る1115haは、本州で唯一「原生自然環境保全地域」に指定されるなど、国内有数の原生林を擁しています。
南アルプス深南部に位置し、登山口までのアプローチが長いため、入山者が比較的少ないこともこの山域の魅力。
3日。標高1120mの椹島(さわらじま)ロッジまで入り、前泊。
4日。
赤石ダム湖畔の聖沢登山口(1140m=国土地理院地形図より、以下同)から入山。
聖沢沿いに吊橋やガレ場を渡って…
聖平小屋(ひじりだいらごや・2270m)泊。14:00の気温16℃。
5日。
薊畑(あざみばた・2410m)付近から望む聖岳。
7:45 聖岳山頂。後方は赤石岳(あかいしだけ・3120.1m)。10℃。
一度聖平小屋へ戻り、南へ縦走。この日は…
上河内岳(かみこうちだけ・2803m=写真)を経て、茶臼小屋(ちゃうすごや・2410m)まで。
6日。
5:29 茶臼小屋からのご来光。10℃。
茶臼岳(ちゃうすだけ・2604m)から光岳(左奥)を目指す。長い山稜。
樹林に覆われた光岳山頂(写真)と光石(てかりいし)を往復。所要12時間!
途中…
仁田池(にったいけ)周辺で、ニホンジカと思われる足跡(真ん中)を多数確認。
コバイケイソウ(小梅蕙草/ユリ科)の頂枝が齧られた跡(真ん中やや右)も多数。これ、有毒植物のはずですが…(汗)
聖平(ひじりだいら・2320m)周辺では、有名なニッコウキスゲ群落が壊滅状態。樹木の樹皮剥ぎやフンもあちらこちらに見られるなど、南アルプスや八ヶ岳はシカの食害が深刻です。
最終日、7日。
を越えて…
長さ181.7mの畑薙(はたなぎ)大吊橋を渡り、無事に下山。
気温25℃。秋色濃い稜線付近とは一転、畑薙ダム(約1000m)周辺ではまだミンミンゼミが鳴き、夏を感じさせる陽気でした。
今回の植物たち。
イワインチン(岩茵陳/キク科)
タカネナデシコ(高嶺撫子/ナデシコ科)
紺色ではありませんが…タカネコンギク(高嶺紺菊/キク科)?
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私自身、山には無縁なので、きれいな山の風景や花の写真を見て
とても感動しています!!!
またブログが更新されるのを楽しみにしています(^_^)
コメントありがとうございます。
山に縁のない人でもブログを見ていただき、日本の山や自然の美しさを感じてもらえれば、とても嬉しく思います。私も、とても励みになります(笑)これからもよろしくお願いしますね。