1月末、NGO団体のボランティアとして訪れた宮城県石巻市のいま。
●石巻市と被災状況/2012.1.26現在
・位置:仙台市の北隣
・人口:162,822名
・世帯数:60,928件
・死者数:3,280名
・行方不明者数:579名
(「ピースボート資料」より)
「3.11」の津波で壊滅的な被害を受けた製紙工場。白い煙をたなびかせる姿が、石巻復興の象徴となる一方で…
津波に呑み込まれ、更地と化した市街地…
積み上げられた瓦礫…
10ヶ月経った今も、爪痕はなお深い。
(いずれもバスの車窓から撮影)
美しい外海が広がる漁師の町、牡鹿半島・鮫浦(おじかはんとう・さめのうら)。高さ15mの津波に襲われたこの地も…
約1.5mの厚さで堆積した海砂を取り除く作業が、量が膨大なだけに、なかなか進まないという。
津波が押し寄せた時、地元の漁師Aさんが家族と一緒に避難したという海岸沿いの裏山(写真真ん中奥)。一命はとりとめたものの、家や漁船すべてを失った。
雪が降りしきる中、辛いはずの震災体験を笑顔を絶やさず、朴訥な語りで聞かせてくれるAさん(右から3人目)。再起を期して、ホヤ(海底の岩などに付着する脊索動物の一種。食用)の養殖に取り組む。
家を失っても、家族を失っても、前向きに生きようとする被災者の姿に勇気づけられた。
一方で、行政やボランティアの支援が行き届かない「みなし仮設(仮設住宅に入っていない被災者)」や「自殺」などの問題は、あまり表面に出ない。
Aさんの「津波で流された跡地に誰が家を建てるかのぉ…」の言葉に、真の復興への道は遠い、と感じた。
東北の被災地では「いつ襲ってくるかわからない」地震と津波、そして、時間の経過とともにマスコミへの露出度やボランティアの数が減る中、「忘れられてしまう」ことを恐れている。
数十年単位でかかる復興を、金銭や効率だけで推し進めるのではなく、被災された方々の声に耳を傾けながら、一緒に歩んでいく姿勢の大切さを、遅まきながら今回の訪問で学んだ。
「一人の百歩より百人の一歩」(「ピースボート資料」より)
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