広島に帰郷した13日16:35分ごろ、警察庁が特別手配していた広島刑務所の脱走容疑者が、広島市西区天満町(てんまちょう)の路上で逮捕されました。
同日昼ころ、中区の広島中央警察署前を通りかかった時には多くの報道陣が建物に詰めかけ、上空には県警のヘリコプターがしきりに旋回している物々しさ。逃走したのが中国籍の凶悪犯ということで、とりわけ市内の保育所や小学校の子どもたち、またお年寄りらは外へ出られない警戒態勢が続いていただけに、大きな被害が出ることなく安堵しました。
警備体制に不備があったことは、当の広島刑務所が認めているところ。二度とこのような不祥事があってはなりません。一方で私は、太田川デルタ(三角州)上に広がる広島市の地形を活かした警察の逮捕劇に感心させられました。
本ブログ2011/11/25、12/7日号でもご紹介した…
「水の都ひろしま」の風景。反対側から見ると…
京橋川(きょうばしがわ=手前)と猿猴川(えんこうがわ=奥)の出合。この二つの川を境に、中区・南区・東区の三つの行政区に分かれています。
広島市内には6本の川が流れています。西中国山地の冠山(かんむりやま、1339m)で産声を上げた太田川が、市内北部で分流する形。
隣の区へ移動するには…
当然、橋を渡らなければなりません。ちなみに、市内全域の橋の数は2800以上!(「広島ホームテレビHP」より)
この橋に目を付けたのが広島県警。民家へ侵入するなどした足取りから容疑者が西区内に潜んでいると判断、同区を挟む太田川放水路と天満川に架かる橋に捜査員を配置し、包囲網を狭めていったのです。こうして、一般市民に人身被害が及ぶ最悪の事態は避けられました。
広島城跡。こちらも水が満々。
日ごろは静かな水の都。今回の事件で一時騒然としましたが、その自然地形と人間の機転が功を奏し、翌日にはいつもの平和な顔を取り戻していました。
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