14日、仕事の下見で大菩薩/笹子雁ヶ腹摺山(ささごがんがはらすりやま・1357.7m)を訪れました。山梨県大月市・甲州市。
江戸時代に開かれた甲州街道の難所・笹子峠が西にあり、「新日本山岳誌(日本山岳会編著)」によると、大菩薩連嶺と御坂(みさか)山塊はこの峠で隔てられるという。現在は、山腹をJR中央本線、中央自動車道、国道20号など計5本のトンネルで貫かれ、痛々しさを否めない反面、人間が自然の障壁に苦闘した歴史も伺えます。
「雁が渡るとき腹を摺るように飛んだ」ことから名付けられた雁ヶ腹摺山。「この山系だけで八つもある」と同誌。地元の人々は、1000~2000m級の巨大な連嶺に自由な往来を遮られた自らの苦労を、ガンの姿と重ね合わせたのでしょうか?
ちなみに「笹子」の地名は、鶯(ウグイス)の子を“笹子”、その声を“笹鳴き”と呼び、この峠に鶯の子が多かったためとか。(笹子餅本舗㈱みどりや「笹子餅の由来」より)
・天候/晴れ後曇り
・行程/JR中央本線・笹子駅8:15-新中橋P8:42/8:50-1188m標高点9:35/9:40-笹子雁ヶ腹摺山9:57/10:40-笹子峠11:30-新中橋12:43-笹子駅13:11
JR笹子駅発。
国道20号(旧甲州街道) 沿いには…
交通の難所や、旅の途中で馬が落命した場所に建てられる馬頭観音像(右)、庚申塔など、 石仏や石碑がちらほら。往時が偲ばれます。
新中橋の登山口(標高720m=国土地理院地形図より、以下同)。
クロモジ(黒文字/クスノキ科)の黄葉鮮やか。
笹子雁ヶ腹摺山山頂。「秀麗富嶽十二景」の頂からは…
富士が高い。
山頂東(左)側にへばりつく雲の塊は、独立峰特有の「旋風」が原因。富士山名物の暴風を物語っています。今年一番の寒気と冬型の気圧配置の影響で、笹子雁ヶ腹摺山も7~8m/sの北西風が冷たい一日。10:00の気温7℃。
笹子峠への道から、笹子雁ヶ腹摺山を振り返る。
1200m付近は、ほぼ落葉。
日向ぼっこするニホンカナヘビ(日本金蛇/カナヘビ科)。日本固有種。そろそろ冬眠の時期でしょうか?
ロープの張られた、滑りやすい急斜面を下りたところが…
笹子隧道(トンネル・1100m)。
笹子峠は「距離十数キロメートル、幅員が狭くつづら折りカーブも大変多いためまさしく難所」(大月土木事務所・現地解説板)であった中、このトンネルは1938(昭和13)年に完成。1958(同33)年に新笹子トンネルが開通するまで、「山梨、遠くは長野辺りから東京までの幹線道路として甲州街道の交通を支えていた」そうです。
「笹子峠の矢立(やだて)のスギ」に立ち寄り。
「昔の武士が出陣にあたって、矢をこのスギに打ち立てて、武運を祈った」(現地解説版)という巨木。
根周り幹周14.8m、目通り幹周9m、幹は地上21.5mで折れ、樹幹の中は空洞になっている(写真)にも関わらず、風雪に耐えてなお生き続けている姿に圧倒されました。一見の価値あり。
再び、笹子駅へ下山。
ヒナの鳴き声(幼鳥)笹鳴きと言ったのも・・・。(どんな鳴き方なんですかね?)
雁ヶ腹摺山の由来は想像ついたけど、まさかって(笑)
そんな低空じゃないし(笑)
今も、山梨あたりまで雁って越冬するんですかね?
関東は北関東が限度だと思うので・・・。
たまに、私の住む県に来たって聞くと見に行きますが・・・。
ほとんど幼鳥です。
ちなみに家の周辺は、江戸時代、野生馬がいたので、
馬頭観音の碑あっちこっちにあります。
笹子雁ヶ腹摺山は富士山にとても近いんですね。このブログに富士山の写真は結構載るけれど、あそこまで近い富士山の写真は初めて見ました!へばりつく雲も始めてみました。かさぐもなどは知っているのですが、私はあの雲は見たことも聞いたこともありません。
日向ぼっこするニホンカナヘビ、なんか蛇には見えません。かわいい感じもしますがトカゲみたいで(+_+)私はダメなんですよ。
笹子峠の矢立のスギの木、中が見事に空洞なのに倒れないなんて凄いですね!!とても太いけど中は空洞・・・実際に見てみたいです。
“笹鳴き”は、ヒナの声というよりも「チャッ、チャッ」というウグイスの地鳴きのことを指すようです。それが笹などの藪から聞こえるために、そう呼ばれるようになったのでしょうね。
ガンの越冬は、島根県の宍道湖でも例年確認されていますから山梨辺りを通過しても不思議ではない?(単にカモ類をガンと見間違えた可能性もありますが…)それにしても、EGUCHIさんのご自宅近くに野生馬がいたことと、その馬頭観音像って…興味深いですね~
先日は大変お疲れ様でした。本日午後こちらに戻りました。(笑)
日本の山の命名を辿っていくと、人間が見たこと、感じたこと…が、その由来になっているケースが多い気がします。日本人にとって山は、昔から生活と切り離せない存在だったのでしょうね。富士山然り…ちなみに今回の写真、近く見えるのは、かなりの望遠で撮影していることもあるんですよ~。
そう、百聞は一見にしかず、矢立のスギぜひ見に来てください!あれほどの巨体をよく支えていられるなぁ…感動を通り越して、私は圧倒されてしまいました。
島根県への越冬ルートが日本縦断か中国ルートで島根かは分かりませんが(日本大陸がカーブしてるから)、鴨も雁もまとめて呼んでいたようなこと、そういえば、聞いたことがありました。m(__)m
がんじゃなくかりの群れって。