9/24日、所属する山岳同人Kの山行で、北アルプス/龍王岳(りゅうおうだけ、富山県)へ行きました。
といっても、ピンと来ない人も多いでしょうか…有名な立山(3015m=大汝山)と、一ノ越(いちのこし)を挟んで向かい合う標高2872mのピーク。恐らくあまり踏まれることのない不遇の頂?に、東尾根から登りました。
爽やかな秋晴れに恵まれ、快適なクライミングに。今夏、「自分の山登り」ができていなかった私にとっては、岩場におけるロープワークを確認する良い機会にもなりました。
■9/24(土)/晴れ
(扇沢5:40/6:30~関電トロリーバス~黒部ダム6:55/7:10~黒部ケーブル~)黒部平7:15/7:30-東一ノ越9:40/9:50-東尾根取付10:40/11:05-龍王岳12:25/12:35-一ノ越13:00-東一ノ越13:35/13:45-黒部平15:15(~黒部ダム~扇沢)
今回のメンバーはT、S、W氏と私の4名。T氏とS氏、そして私は前夜、T氏の車で長野県松川村にある道の駅まで入り仮眠。当日早朝、W氏と信濃大町で合流し、登山口の扇沢(おうぎさわ、長野県大町市)から入山しました。
関電トロリーバス扇沢駅を出発。
朝陽に染まる後立山連峰。
今回、長野側から入山したのは、富山側の室堂(むろどう)周辺で予想される連休の混雑を避けるため。計画立案者のT氏の作戦は見事に当たり、3連休にも関わらず、私たちは終始静かな山旅を満喫することができました。
黒部ダム駅でトロリーバスを降り、歩いてトンネルを抜けたところが…
日本最大級の水力発電ダム・黒部ダム。前方奥に立山が望めます。
黒部ダムはちょうど放水されており、水煙が堰堤上にまで舞い上がってくる迫力でした。
関西電力が、急峻で水量豊富な黒部峡谷を発電に利用することを主目的に、昭和31年から7年の歳月と一千万人の人出、そして513億円(当時)の巨費を投じ、苦難の末に完成させたアーチ式コンクリートダム。堤の高さ186mは、現在でも日本一を誇っています。総貯水量約2億立方メートルも、20万トン以上の油を積める超大型タンカー約1000隻分に上るとか(スケールが大きすぎて実感がわきませんが…)。
ダムができるまでは、一部の登山者しか寄せ付けなかった黒部の険しく、厳しい自然。そのど真ん中に建造された巨大な人工物に、人間の底力と執念を見せつけられたような気がしました。
黒部ケーブルに乗り換え、終点の黒部平駅(1830m)へ。気温10℃。
ナナカマド(七竈/バラ科)の赤い果実と澄んだ青空に、秋を実感。
まずは、東一ノ越(正面稜線左の窪んだ部分)を目指しました。結構遠い…?
このコース、あまり利用されていない?ようで、しばらくヤブっぽく歩きにくかったものの…
標高2300mを超えると森林限界を抜けて、ホッ。
そして…
東一ノ越(2480m)で視界が一気に開けました。
降り返ると、(個人的に)お気に入りの道標の向こうに後立山連峰。右から鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、白馬岳が連なっています。
そして西側正面に…
目指す龍王岳。東尾根は、右側手前の尾根~頂上をつなぐライン。
取り付きを目指し、東尾根正面へ。なかなか鋭い。
標高約2600mの取り付きへ。ここで2パーティに分かれ、T氏・W氏が先行。S氏と私が後に続く形をとりました。
Ⅲ級・25m程度の快適なフェースからスタート。1ピッチ目はスタカット(一人が確保し一人が登りながら、交互に行動すること)で。写真は、リードするW氏です。
私たちもS氏のリードで1ピッチ目を抜け、そこからはコンテニュアス(二人がロープをつなぎあったまま、同時に行動すること)に。
こんな感じの岩稜が続きます。先行するT氏とW氏。
尾根北側には、昨日降ったと思われる積雪が…北アルプスは、確実に冬に向かっています。
このスラブはスタカットで。先行するT氏。
この東尾根、ルートの取り方次第で易しくも難しくもなります。S氏と私が取ったルートはⅠ~Ⅲ級程度で、岩慣れていればロープなしでも行けるはずです。が、今回の山行は、ロープワークの確認も目的の一つ。私たちはあえて、スタカット、コンテ、ショートロープなどを織り交ぜながら楽しみました。
取り付きから1時間20分…
龍王岳頂上へ。久しぶりの好天に恵まれ、快適この上ないクライミングでした。そして案の定、この頂には私たち意外誰もいませんでした。気温13℃。
北側、別山乗越(べっさんのっこし)の奥に剱岳が顔を覗かせていました。いつ見ても、どこから見ても、カッコイイ。
下山は、一ノ越(10年ぶり!)経由で。正面に見えるのは、立山・雄山(おやま、2991.6m)。こちらはやはり…
登山者の行列が頂上まで続いていました。「百名山」の力ですね。(苦笑)
私たちは再び、黒部平への静かなる道へ。右前方に、いま辿って来た龍王岳東尾根が見えます。
コンパクトながら、自分たちならではの楽しみ方ができるプチ・バリエーション。積雪期には、かなり手ごたえのある好ルートになりそうです。
秋が深まりつつある北アルプス。花はほとんど終わっていましたが…
オヤマリンドウ(御山竜胆/リンドウ科)が、登山道脇を静かに彩っていました。
傾く陽光と黒部湖。
楽しく、良い仲間に恵まれて、無積雪期最後のアルプス山行を満喫することができました。自分の山登りを、意識して継続する大切さも実感。
Tさん、Sさん、Wさん、ありがとうございました。
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