〈現在、非常に強い台風14号が北上中。30日から31日にかけて本州に接近しそうです。大きな被害が出ないことを祈るばかりです〉
今年5月に続いて昨日、笠取山(かさとりやま・1953m/山梨県甲州市、埼玉県秩父郡大滝村)を訪れました。登山イベントの仕事で、11人が参加。
朝からあいにくの冷たい雨…当初の予定を変更し、山梨県側の作場平(さくばだいら・1312m)から、山頂南側直下にある水干(みずひ・1865m)を目指しました。周囲の森林(もり)は、東京都の水道水源林。多摩川最初の一滴が滴り落ちる場所です。
中腹では紅葉がピーク。しかし思わぬ「??」のお出迎えに、秋を通り越して冬を感じさせる1日でした。
9:30ころ作場平を出発。色づき始めの樹々の下を流れるのは、多摩川の源流、一之瀬川・本谷です。
標高1500m付近。紅葉が見ごろを迎えていました。
ハウチワカエデ、イタヤカエデ、ミネカエデなどのカエデ類に加えてミズナラやブナ、地面にはハリギリ、コシアブラ、ヤマブドウほか落葉も華やか。
登山道脇に…
ミズナラ(水楢/ブナ科)の黄葉?
頭上を見やると…
真新しいクマ棚がありました。
ツキノワグマが樹に登り、枝を折ってドングリを食べながら、食べ終えた枝を樹上に敷き詰めた跡です。(少しわかりにくいですが…)枝先が折られているのと、所どころに枝の黒い塊が見えます。
この折られた枝、時に直径5cmほどのものを見ることもあり、クマのパワーをまざまざと見せつけられます。一方で私は、今年初めてお目にかかり、ホッとしました。
今シーズンは猛暑の影響か、奥多摩周辺でもクマの好物であるミズナラの実りが少ないようで、クマ棚自体あまり見られません。全国的に、人里へのクマの出没が相次いでいる最近のこと、気にかかります。
11:20笠取小屋(1776m)着。気温3℃。
こちらの期間外開放小屋をお借りして、昼食としました(写真は新しい宿泊者専用小屋。週末のみ営業)。いつも思うのですが、山で冷たい雨や雪に降られると、屋根と壁があるだけでシアワセですね。
昼食後、稜線へ。晴れていれば展望に恵まれ、気持ちのよい場所ですが…
本日は、冷たい雨と霧の風景。
その分、やわらかいカラマツの黄葉が印象的でした。
「多摩川の源頭 東京湾まで138km」水干に到着。
この標識のすぐ後ろにある岩窟(がんくつ)の中で最初の一滴が生まれるそうですが、今日は本降りの雨の影響であちらこちらから滴っており、どれが本物かわかりませんでした(笑)
笠取山の南西、ヤブ沢峠経由で下山途中…「ん!?…」一瞬目を疑う光景に出遭いました。
雪です。
と、最初は思ったのですが、見られる場所がウラジロモミなど針葉樹の高木がある周辺だけ。「樹についた霧氷(むひょう=霧など空気中の水蒸気が樹木などの障害物にぶつかって凍結したもの)が雨で解けて、地面に落ちたのではないか」と、同行のインストラクターの方は推測されました。
参加者もスタッフも「初めて見た」この光景に、冬の到来を感じずにはおられませんでした。
予定より1時間以上早い14:30ころ下山。
終始冷たい雨の中での山歩きでしたが、しっとりと濡れた紅葉、野生動物の息遣い、そして冬の足音…を静かに感じとることができ、参加者の皆さんも満足そうでした。
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コメントありがとうございます!
窓ヶ山の周辺も、クマが出ているのでしょうか?ちょっと怖いような、嬉しいような…という感じですね。北の東郷山あたりとつながっていることを考えると、いても不思議ではないですけど…。
また情報を教えてくださいね。