まさおレポート

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虎穴に入って虎児を得ずか

2021-12-10 | 通信事業 NTT・NTTデータ・新電電

https://news.yahoo.co.jp/articles/a7f934c48451114f8fca1f02b45a28f6c920c387?page=1

からのメモです。

2022年3月期第2四半期(中間)連結決算で、経営指標「NAV(時価純資産)」を21年3月期比5兆2000億円減の20兆9000億円に目減りさせたソフトバンクグループが、米国と中国の政治リスクという新たな危機に陥っている。

グループのNAVは一時、約2兆近く減らし、ソフトバンクGの株価は年初来安値を更新した。孫氏のコントロールが及ばない政治リスクで、ソフトバンクGの経営はホワイトアウトに陥った状態だ。

◇最初の打撃は米国からもたらされた。

 米連邦取引委員会(FTC)は12月2日、ソフトバンクG傘下の英半導体設計会社「アーム」を米半導体メーカー「エヌビディア」が買収する計画を阻止するための行政審判手続きを始めた。

エヌビディアがアームを買収すれば、競合メーカーが半導体開発で必要になる設計の分野でエヌビディアが支配的な地位となると、FTCは理由を説明した。

FTCのベドバ競争局長は「FTCは半導体コングロマリットが誕生することで次世代技術開発が阻害されないよう、業界で過去最大規模の合併阻止に向け訴訟を起こす」と文書で表明した。

◇6兆円の利益が吹き飛ぶ米司法リスク

ソフトバンクGは16年、アームを310億ドルで買収。孫氏はAIやIоT推進の原動力としてアームを位置付けたが、業績は伸び悩み、20年にエヌビディアへの売却で合意した。

買収時は約3兆円だったが、売却合意時は約4兆円に価値が膨らんだ。11月8日の22年中間決算説明会で、孫氏は売却代金の内訳を「3分の1が現金で3分の2がエヌビディアの株という形での契約でした。それから1年たって、エヌビディアの株価は2倍以上になりました。従って、もしエヌビディアのディールがクローズ(契約調印)、正式に受理されれば、3兆円だったものが4兆円で合意し、今日現在のエヌビディアの株価で言うと約9兆円になっています」と説明。NAVの減少で「真冬の時代」にあるソフトバンクGにとって、「新たな芽」と、孫氏は位置付けていた。

孫正義氏でも制御不能!?ソフトバンクの資産を5.2兆円も減らした政治リスクの正体
12/9(木) 21:00配信

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サンデー毎日×週刊エコノミストOnline
 仮にFTCの主張が司法の場で認められれば、ソフトバンクGは成長の芽のひとつを摘まれ、6兆円の未実現利益が泡となる。

◇配車アプリ「didi」の上場廃止表明で吹き飛んだ2000億円

二つ目の打撃はFTC発表翌日、傘下の中国配車サービス大手ディディ(滴滴出行)からもたらされた。

ディディは今年上場したばかりのニューヨーク証券取引所の上場廃止方針を表明した。背後には米中対立を受けた中国政府の意向がある。中国は今年9月、データセキュリティ法を施行し、海外への個人情報提供を規制した。ディディは米国への情報提供を否定していたが、中国はディディのアプリのダウンロードを制限するなど締め付けを強め、上場廃止要請に追い込んだ。

ディディは香港市場に上場し、米上場株式は他の証券取引所で自由に取引できる株式へ転換する方針だ。ディディ株が紙切れになる可能性は極めて低いものの、市場は売りを加速。一時は上場直後の3分の1以下の1株5.82ドルまで株価を下げた。22年中間決算時比でも値を下げ、ソフトバンクGの保有分の時価総額は一時、約2000億円目減りした格好だ。

◇アリババ株も急落し時価総額1.8兆円が消失

さらに、中国政府の海外上場規制の連想から、アリババホールディングス株もニューヨーク市場で急落。22年中間決算時点比で一時、時価総額は約1兆8000億円減らした。

2社とも6日にいったん株価が反発したものの、「真冬の時代」と孫氏が嘆いた9月末よりNAVは一時、約2兆円もさらに目減りした。

こうした状況を受け、ソフトバンクG自体の株価も急落。12月6日には年初来安値を更新し、5057円をつけた。22年中間決算説明会で、孫氏が「ピンチはチャンス」と1兆円の自社株買いを打ち出して上昇に転じた株価はさらに値を下げた。

◇米中当局に翻弄される孫正義の経営手腕と投資勘

筆者がかねてから指摘してきた中国リスクが、ソフトバンクGの成長エンジンだったアリババなど中国企業の新規上場株を足かせに変えようとしている。また、米当局のアーム売却規制も孫氏のイグジットを阻止しかねない。

アームの件は司法の場で争う余地があるものの、英当局もアーム売却に慎重な姿勢を見せており、楽観できない状況だ。

経営者としての孫氏の発想の方がビジネス上は正しいのかもしれないが、相手は米中当局で、孫氏のコントロールの及ぶ相手ではない。成長のエンジンを逆回転させられ、将来の芽を摘まれそうになったソフトバンクGは「真冬の嵐」がやむどころか強さを増しており、視界は容易に開けそうもない。

 

 


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