まさおレポート

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「モロッコ流謫」と三島由紀夫の弟平岡千之氏

2019-08-20 | 小説 音楽

四方田氏の「モロッコ流謫」には三島由紀夫の実弟平岡氏が1987年(昭和62年)3月31日、4月2日付で駐モロッコ大使に任命されニューヨークから訪れた四方田氏に語ったエピソードがでてくる。

三島由紀夫が自決する3年前のこと、1967年(昭和42年)、ラオス駐在時代大使だった頃にラオス王と三島由紀夫がプルーストの話で盛り上がった。ラオス王の幼い子供がラーマヤーナの寸劇を演じ三島由紀夫は大変感銘を受けてその場面をそっくり「暁の寺」に描写してあるという。

実弟平岡氏が1996年(平成8年)1月9日、肺炎のため新宿区の病院で65歳にて死亡し遺された蔵書の処分を四方田氏に託した。三島由紀夫の本は、わずかに一冊だけ、背中が逆になって乱暴に突っ込まれているだけと述べている。カインとアベル以来兄弟には複雑な感情の交錯があると記しているが屈折があって当然だろう。


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