まさおレポート

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五省

2019-08-21 | 心の旅路・my life・詫間回想

半世紀以上たってもときどき思い出すことや気になっていることがある。高校三年間は国立詫間電波高校(現高専)の木造寮にいた。わたしは本科の生徒だったが別に高卒の男子を1年で無線通信士に養成する別科があり、少し年上の男子がやはり寮に入っていた。本科と異なり別科はなかには社会人経験のある成人など年齢が少し上のこともあり交流はほとんど無かった。

しかしなにかの折に別科の一人の男子と友達になって寮の部屋を訪れたことがある。寮の壁に張り紙があり、「至誠に悖る勿りしか」などの言葉が記してある。当時それを見たわたしはこの男子は右翼青年なんだとひとりで合点した。この男子にそれは何かと聞けばよかったのだが何となく聞くのをはばかられるように思ったのだ。

当時から5年さかのぼる1960年(昭和35年)10月12日に17歳の右翼青年山口二矢が起こした浅沼稲次郎暗殺事件の記憶がなまなましく記憶に残っていることも影響したかもしれない。

青年の部屋はきれいに整頓されており、生真面目な態度と思いつめたような澄んだ眼差しのおそらく19歳であろう青年との出会いはわたしに強烈な印象だけを残して半世紀以上が経った。

昨日ふと思い出すことがありネットで「・・・なかりしか」と検索してみると五省が出てきた。見ると五省とは、旧大日本帝国海軍の士官学校である海軍兵学校において用いられた五つの訓戒であり、次の5行が記されていた。

一、至誠に悖る勿りしか

一、言行に恥づる勿りしか

一、氣力に缺くる勿りしか

一、努力に憾 勿りしか

一、不精に亘る勿りしか


なるほど海軍兵学校の訓戒だったのか、右翼の訓戒と誤解していたのだが思い込みがようやく解けた。しかし単にかつての兵学校にあこがれていたのか右翼志向だったのかは謎のままだ。


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