古い夢を見た。目覚めたときには記憶していたのだがすでに思い出せない。インデクスがないために記憶のありかまで辿れないのだ。こうした脳内に膨大な記憶が眠っているがインデクスがないために利用することができない。
朝目が冷めたときにメモするのがとりあえずの方法だろうが夢を観た記憶のみですでにメモを書くときには忘れてしまっている場合も多い。明恵は夢の中に深い洞察や意味を見出してなくなるまで40年夢日記を付けた。
他の方法はあるのだろうかと考えてはたと気がついた。人工的な枠組み、つまりインデクスを作成しこうした記憶群にアプローチする方法があると。これは虚構を創作して深い洞察や意味を見出す方法で物語や小説そのものだ。虚の中に実がある。虚数があって現代数学があり、現代物理学がある。物語や小説でしか解明できない事がある。