まさおレポート

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たたらの里 和鋼博物館

2007-08-09 | 紀行 日本

古代日本の神話に深くかかわっている鉄の製造はどのように行われたのか。ぼんやりとは想像できてもはっきりとは理解していない。その製造の秘密を和鋼博物館で目の当たりに見ることができた。館は米子から車で1時間ほどのところにある。

砂鉄からケラと呼ばれる鉄の塊を得るためには膨大な量の木材が必要だ。そのため鉄製造に携わる人々は次々と新しい森を求めて移動する。広さは畳一畳分で厚みは同じく畳5枚重ねたほどの鉄の塊=ケラはたたらと呼ばれる鞴で40時間もの間男たちが踏み続けた結果得ることができる。

彼らは深い山の中に住み農民や漁民とは異なった生活様式や文化を形成したのだろう。この人々はどのような生活を営んだのだろう。宮崎駿の作品などを通して一端を想像することはできるが詳しいところはしらない。全貌を知りたいものだ。

質のよい玉鋼から鍛冶は鞴と鎚で見事な日本刀を鍛え上げる。その過程はあたかも小麦から饂飩を打つように行われる。伸ばしてはたたみ伸ばしてはたたむ作業を重ねて粘りのある鋼に鍛える。縦方向に伸ばした後は横方向に伸ばしそれを交互に繰り返す。そして刀の刃の部分には別に鍛えた鋼を挟み込むという長い工程を経て剣は出来上がっていく。最後は研ぎで仕上げる。

出雲大社という日本古代建築史上で最大の神社があり古事記の舞台ともなった出雲地方。そのパワーの源泉はたたらで作られる玉鋼にあるのだろう。


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