東京五輪女子100メートル予選を観ていたらバリ滞在時に出会った姉妹のことを思い出した。中米のある国と日本人のハーフが予選に出場していた。20歳と紹介されていた。よく伸びたストライドで走ったが出場権は逃した。
あの子たちは今頃この出場者と似た年頃になっている。観ながらそんなことを思った。
アリーは姉で当時10歳、人懐こい性格でいつのまにか我が家に入り込んで娘と遊んでいる。プールの中で大人の男性にまとわりつく。姉妹の父は亡くなったと教えられているらしい。父親代わりが欲しい年ごろなのだ。
シンディは妹で9歳、くりくりした目で姉より独立心があり、ちゃっかりしている。この子は走りがとても良い。チータのしなやかさを思わせるのびのびとしたストライドでビラの庭を一周する。この子は将来うまく才能を伸ばせばオリンピック級のランナーになるだろうと思った。
この妹と予選出場者の女性の走りが重なった。長く伸びるストライドが二人を記憶の中で結びつけた。