まさおレポート

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フォト&幻想 10万人の中国人クーリーがペルーに流入した史実と諸尊仏龕

2017-09-26 | 日常の風景・ニュース

10年前にペルーのクスコを旅行中、遺跡近くの土産物屋で骨董に埋もれてほこりを被っていたのが目に止まり買い求めた。
黒檀風の樹脂化した極めて硬い木を三分割し、それぞれを蝶番4個でつないだもの。
弘法大師空海が中国から請来されたと伝える国宝、諸尊仏龕(金剛峯寺 中国唐時代)と同じ様式を踏襲し、釈迦如来を中心にして諸菩薩などを細かく彫刻する。両扉となる龕を閉じれば、携帯できるように工夫されており、枕本尊とも呼ばれている。
底に乾隆年製と刻印されている。

2017年8月25日のロイターはペルーの先コロンブス期の遺跡を調査している考古学者チームが、19世紀末─20世紀初めに埋葬された中国人労働者16人の遺体を発掘したと報じた。1849年にコスタのプランテーションでの労働力のために大清帝国から中国人農業労働者の導入が議会で決議された。これにより25年間の間に約10万人の中国人がペルーに流入したとの史実を改めて印象づける発掘だ。

この諸尊仏龕は19世紀に過酷な労働環境のペルーに渡った中国人労働者が自らの安穏を求めて故国から持参したものではないかと想像するとその願いの切実さに胸を打たれる。

この諸尊仏龕、贋作が多いとされる18世紀の乾隆年製だが時代的には適合しておりあながちフェイクとはいえないのではないかとも思えてくる。

サイズ等
形 八角筒型
重さ 443g
高さ 16センチ
直径 8.5センチ(八角筒の対向面間)
扉を開いた幅 20センチ
特徴1 八角筒型で頭は蓮でドーム型
特徴2 金属製の蝶番4個で開閉する。
特徴3 欠けた部分があり、材質を伺うことが出来るが灰色で、木質でなく樹脂風であることがわかり、沈香か伽羅であることがわかる。
特徴4 八角筒には角ごとに文字と絵が彫られている。上求菩提 下化衆生 笹 梅 など。

 


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