まんまと泣かされてしまった。これだけの俳優、日本人が持つ郷愁をくすぐる鉄板唱歌「故郷」やアリラン、特攻に行く前に知覧で食堂のおばさんが親身になって見送る、当時の朝鮮人少尉と知子の恋、特攻で出撃し蛍になって帰ってくるというエピソードなどなど、まあ当然と言えば当然だがまんまと泣かされた。
うさぎ追いしかの山
こぶな釣りしかの川
夢は今もめぐりて
忘れがたきふるさと
気になる父母
つつがなしや友がき
雨に風にあっても
思い出づるふるさと
特攻の出撃地は鹿児島県の知覧だがわたしの高校は国立詫間電波高校で、海軍特別攻撃隊の出発地となった。60年前、校舎に近い浜辺に水上発進機の発進台があった。今でもあるという。詫間の地から知覧を経由して特攻したものもいたと聴いたことがある。いや詫間は海軍で知覧は陸軍だからそれはないというものもいる。
この種の映画に泣かされる最後の世代かなと思いながら書いてみた。
昭和も遠くなりにけり 詫間も遠くなりにけり 戦後も遠くなりにけり