まさおレポート

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資本家と孫さん

2021-12-04 | 通信事業 孫正義

孫社長は自身を「キャピタリスト(資本家)」であると強調。インベスター(投資家)はお金を稼ぐ人々だが、「われわれはお金を稼ごうとしているのではなく、未来を創ろうとしている」と話し、新規ビジネスとイノベーション創出が最も重要だとの考えを示した。https://news.yahoo.co.jp/articles/b234ca90c067035473690b8a9c4e747647af465d


孫さんは20年来、お金は記号でしかない。お金儲けではなく「少女の笑顔」が見たいと一貫して述べている。孫さんのこの資本家でありたいとの発言の受け取り方にいろいろな考えをお持ちだろう。

孫さんは若い時から金を追いかけることの魅力とその欲望の危険さに気が付いていたのではないかとわたしは思う。だからこそ「竜馬がゆく」を読んで「志」を自らの指針としたのだろう。

大患の後に「少女の笑顔」が見たいと復活したのも事実だ。その後山あり谷ありだがその精神は一貫している。

その精神を「資本家」と表明することにはいささか違和感を感じている。「資本家」から受ける響きは少し搾取的な語感を伴う。孫さんが本当に言いたいことは「資本家」ではないような気がしているのだが。


資本家から受ける響きをWikipediaで眺めてみると

企業体に資本を提供し、最高意思決定能力を持ち、出資した範囲ですべての責任を負う人、そして、最終的に残った利益の配分にあずかる人。
資本(自己増殖する価値の運動体)の人格化。(マルクス経済学で定義される概念。)

働かざる者食うべからず - 『働かざるもの』とは不労所得(働くのは労働者)で荒稼ぎする資産家を意味している。

資本家という言葉は少し手垢にまみれ、少し孫さんの志向とずれがある気がするがどんなもんだろう。


人間は本質的に強欲に負けてしまうもので、自らを「志」で縛る以外にそれから抜け出る道はない。孫さんは若い時からそれに気がついていたのだろう。

20年前にも孫さんの口から「株価の上がり下がりを気にしたことはない」との発言も直に何度も聞いたことがある。金の亡者になるな、それは美しい生き方ではないと自ら何度となく自分に言い聞かせてきたに違いない。そしてぶれていない。

「われわれはお金を稼ごうとしているのではなく、未来を創ろうとしている」

このままで孫さんらしくて素敵だと思う。

投機、投資の先にある言葉として「資本家」にあらたな意味を加えたいと考えているのかもしれないがあえて「資本家」であると宣言する必要はあるのかな。

投機、投資は簡単にいうと時間軸の長短にある。投機、投資より長期的視点、つまり地球の未来に資本をささげ、それでリターンを求めるということだろう。孫さんの志向はリターンも大事だが未来に捧げる点にこそ重心がある。「資本家」は投資家と同列の語感がある。

ならば「未来への資本家」という言葉がふさわしい。


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