2006/6/18
バルセロナにあるグエル公園はガウディが彼の理解者であるグエル伯爵と理想の分譲地60戸の建設を目論み、しかし僻地過ぎたためかさっぱり売れずにガウディとグエル伯爵の邸宅のみが完成したという。見方によってはコミカルで、それだけ惨憺たる結果に終わり後に市に寄贈された。彼の造形は当代に受け入れられずに後の世に世界遺産としてもてはやされるという、天才の定型を彼もまた踏襲したことになる。
この地は丘の上にあるために崖が多い。崖の脇を固めることと通路を作ることをこの不思議なトンネル回廊で達成している。
屋上にある広場の長くうねったベンチは破砕タイルで作られている。ガウディの助手ジュゼップ・マリア・ジュジョールが製作した。
石を固めた柱。
ねじり棒状の柱で支える。 石のかけらがつららのようにぶら下がっているが不思議と落ちてくる不安がない。
自然な崖に見えるがもちろん石で固められている。サグラダファミリアでも見かけたモチーフだ。
ベンチに使われている色模様のタイルは知り合いのタイル工場で大量に出るいわば廃棄タイルを有効利用したと聞いたが。
回廊で遊ぶ少年。警備員が飛んでこないのがバルセロナらしくてよい。腸内の探検するミクロの決死隊になった気分だ。
階段を上りきるとトカゲらしきものが迎える。太い柱が林立する空間は分譲邸宅村の市場を予定したらしい。
どこから見ても十字架に見える塔。
白と茶のタイルで、うねりを持たせたフェンス。
こうやってみるとキノコにも鍾乳洞にも見える。
敷き詰められた破砕石。
守衛の家だったか、あるいは管理棟。
管理棟だったかな。
十字架の塔を下から見上げる。
テーマパークの先駆け。こんなものはガウディしか作れない。
壁に埋め込まれたタイルの一つ一つに見入る。
曲面を舐めるように破砕タイルが貼られている。鉄の格子とのコンビネーション。
太い柱を巻く破砕タイル。鉄の鋲との対話。
タイルの存在感に時を忘れる。
窓の枠、窓に写ったタイルの柱、窓の中にいる観光客の顔がこの世ならぬ空間を作り上げる。
どうしてこのような写りこみになるのか。ひとつの窓に二つの異なった外部が写りこんでいる。
防犯用なのか、それにしてもおしゃれな鉄格子。ガウディは手の込んでいない造形は認めない。
古代的な柱のすぐ横には近代のビルが建っている。
窓からのぞく観光客。
モロッコ、イタリア、スペイン、これらの国のタイル文化の底の厚さ。
ピカソの焼き物に通じる色合い。
組み合わせを楽しんでいる。
それにしても窓に写る光景が。
口から流れ出る水が怪獣のよだれに見える。
スペイン、バレンシアの文様と色調はどこかイスミラミック。
こういう色調を見ていると元気が出てくるのだが、ガウディ自身は結構孤独で長期の断食で死に対面したこともある。
なんてことは無い階段だがタイルがあるだけでガウディ。
市場として設計した空間を支えるドーリア式の柱頭。グエル伯爵が古代ギリシャ風を取り入れてほしいとの注文をつけ、ガウディが答えたもの。
コブラ風のモチーフとカップル、特に男性のTシャツ。
蛙、サンショウウオ、トカゲ?手がかわいい。
観光客はかならずここで写真を撮る、そして撫でる。かつては馬乗りになるものも。白い小石の歯がかわいい。
こうやって眺めると破砕タイルをそれほど厳密に整えているのではなさそう。結構適当に貼ってセメントで埋めている。
市場の天井は緻密に貼られている。場所で貼り方を変えている。緑のビンが混じっている。
これも市場の天井。皿の破片が使われている。
市場の天井。巨大な皿が埋め込まれたのか。四季をあらわすとの説明も。
公園らしい植栽が広がる。
市場の天井。色鮮やかな貝殻が埋め込まれている。落下防止に目立たないネットが張ってある。
市場の柱群が屋上の広場を支える。破砕タイルが古代ギリシャ柱と調和する。屋上のベンチがある砂地の広場から濾過された雨水を地下の水槽に蓄えるしくみになっているという。雨水はこの柱の中を通っていくのか。
やしの葉をモチーフにした鋳物のフェンス。
市場の天井。
市場の天井。
モロッコのマラケシュで見た建物の色と同じだ。スペインとモロッコはジブラルタル海峡をはさんで地続きで地質も共通なのかも。
長い階段。
グエル公園の模型。実際はかなり異なっているようだ。
樹木の周りもガウディらしい。
鋳物のフェンス。
鋳物の扉。
紫の花はジャカランタか。
これは破砕ではなく形を整えたタイルが貼られた壺。
ガウディ博物館の内部。壁紙、ランプ、文様。
椅子とテーブル。
高い窓。