Netflix「ブラックリスト」シーズン2-20クォン・ザンでは冥婚を巡る死体売買犯罪がテーマになっている。Netflixのドラマ「ブラックリスト」では「本当かな」と思うような犯罪が次々と登場する。例えばNSAやCIAの幹部層まで秘密結社がはびこっているとかにわかには信じがたい話題も多い。冥婚もその類かなと見ていたが現代ビジネスの記事によると中国には冥婚ビジネスはいまだに残っているという。事実はドラマよりも奇なりだ。ちなみにシーズン2-20は2015年であり、下記の事件は2019年だからドラマの予見性の凄さといっていいだろう。
中国都市部ではアリペイ(Alipay)やウィチャットペイ(WeChatPay)決済、無人コンビニ、レンタル自転車、相乗りタクシー “滴滴出行”が広がう一方でいまだ冥婚が残る対照的な世界がある。
春節の惨劇https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60257?page=4から以下にメモをしてみる。
2019年の“春節(旧正月)”元旦は2月5日であった。その前日の2月4日 午後7時頃、陝西省楡林市の 1軒の農家で火災が発生し、その家に住む女性が焼死した。焼死したのは彼の妻で小児麻痺の後遺症による身障者で、歩行も身の回りのこともできない34歳の李春。火災現場の主人である朱連堂が自宅に放火したものと断定し、朱連堂を自宅に放火して妻で身障者の李春を焼死させた容疑で逮捕した。朱連堂は“冥婚”を行うことを目的として妻の李春を焼死させたと自供した。
“冥婚”“陰婚”の遺体の取引価格は3000元(約4万9000円)から数万元(約50万~80万円)まで。
冥婚は中国の殷・商時代(紀元前16~前11世紀)から現在まで数千年にわたって伝えられてきた因習。
冥婚とは「死者のために死者の配偶者を捜して結婚させること」 お墓の中で独り者の寂しい魂がさまようのを防ぐ。
冥婚は山東省、山西省、陝西省などの地域で大きな市場を形成しているという。
“供不応求(供給が需要に応じきれない)” 女性死体の価格は急騰し、優良品質の女性死体を嫁としてもらい受けるための“聘礼(結納)”は15万元(約245万円)にまで高騰しているという。
土葬の墓を暴いて女性死体を盗み出したり、女性を殺害したりして、死体を販売することで暴利を得ている。
仲介業者となって、常時医院に張り付き、若い女性が病死する情報を得ると、冥婚のために若い女性の死体が必要な人々に紹介して、礼金を稼ぐ者たちもいる。
未婚の男子が不幸にも逝去すると、その父母は死んだ息子のために、社会的地位や経済状況が釣り合う未婚女性の遺骸をさがし、2人の遺骸や骨を合葬し、両人をあの世での夫婦とする。甚だしきは死体泥棒をはびこらせることになる。
若い娘が危篤だという噂が流れると、たちまち十数軒の未婚の男子を亡くした家庭が医院に集まり、彼女の遺体を購入するための激烈な価格競争を展開する。十数万元(約210~250万円)から数十万元(約500~800万円)という高値に達することもある。
中国共産党は「マルクス主義を信じず“鬼神(迷信)”を信じ、真理を信じず金銭を信じるのを断固防がねばならない」とするがいまだに迷信の除去に成功していない、中国共産党の党員の多くが風水や“算命から脱却できていないという。