バリ島物語と輪廻そして三浦襄、メモして置きたくなった。サムライとしての最後を遂げた三浦襄の転生物語を書いてみたい。取材に時間がかかりそうだ。
「海の上を火が渡って来るのを見て、彼の心臓は止まってしまった。・・・身を守るための呪文を一生懸命思いだそうとしたが、彼の頭は底に穴のあいた鍋のように空っぽだった。・・・一人の男が灯りを手にして船から下り、ここへやって来るのを見てパックは安心した。少なくとも、それは超自然のものではなかった。」
バリ人がごく当たり前のように転生を信じており、日常生活でもかなり死と近い生活を送っていたことが記されてる。時は現代ではなく、100年近い過去の話だが、100年くらいの差など問題ではないだろう、要はバリ人の心の深いところにあるものを理解できればよいのだ。
「バリ島物語」 その2 バガバッド・ギータの詩句
「ある男が言う、我は一人の男を殺せりと。他の男が言う、我は殺されたりと。されど両者は何ものをも知らざるなり。生命は殺すことを得ず、生命は殺されることを得ず。」
「終わりと言い、始めというはこれ夢に過ぎず。霊魂は永遠なり。そは生誕と死滅と変化とを超越せるものなり。」
「私ははっきりと悟った。ちいさなラカのうちに祖先が生まれ変わった事を、又、誰なのかを。彼は再びこの島に還り、今一度生きるために表れたのだ。・・・金色の衣装に包まれた小さな身体が子供のラカではなくて祖先の、光り輝く、魅力あふれる、往事のラカであると思われたのである。」
「日本軍がバリ島に円滑に上陸し、統治をすすめられたのは、三浦襄が軍部とバリ島民の仲介役を買って出たからだといわれている。・・・三浦は自らの棺桶を用意した上で、デンパサールの自宅でピストルの引き金を引いた。享年57。三浦はバリのサムライとしての最後を遂げたのである。」「サムライ バリに殉ず」