バリ島はヒンドゥ教徒の島であり、人々の生活の中にその信仰が生きていると言われる。2ヶ月の滞在で何度も海辺の葬儀を見かけた。バリ島民が亡くなると一旦は土葬にして数年後に合同火葬をする。その後に散骨風の儀式をとりおこなうのだがこれも合同なのか、家々で行うのかはよく理解していない。
いずれにしても亡くなってから年月が経っているので海辺の儀式参加者はカラッとして明るい。中には談笑している人もいる。葬儀だから神妙な顔をしなければいけないと言った文化はなさそうだ。あるいは死んだらまた転生することを心から信じているので家族の情はあり悲しいのだが一面では喜ぶべきことなのだろう。
夕方から海辺に集まりガムランの演奏下で形だけの散骨をする、眺めていると散骨は実際には形だけかもしれないと思えた。土葬後に何年もして掘り返し火葬にするのだから日本の火葬後の骨をイメージしては大いに違うのだろう。
賑やかにキンコンキンコンと演奏した後に美味しそうなお弁当を全員に配る。眺めていたわたしにも食べないかと勧められた。(さすがに遠慮したが)
真っ白な装束に身を固めた集団がガムランで弔う儀式に惹かれたわたしはずっと眺めていた。そして村八分という言葉を思い出していた。
Celemony at beach August 2022 Bali