まさおレポート

お金が人よりも稼ぐ不条理と共同富裕の皮肉

トマ・ピケティの「r >g」の不等式が示す現実におそらく相当数の人が漠然と疑問を抱いているのではなかろうか。お金が人よりも稼ぐ。


21世紀の資本は
①経済成長率より資本収益率の方が高くなる傾向がある。

②この格差不平等は世襲を通してさらに拡大していく。

③不平等是正には資産への課税強化が不可欠。

この①を簡潔に表したのが不等式「r>g(アールダイナリジー)」。


お金の引力の法則を食い止めるものが現れたように見える。中国の習近平が唱える「共同富裕(ともに豊かになる)」だ。

中国が世界に先駆けてこのように言い出すことはおぞましい。共産党独裁の国がいうなと。

しかし言ってることは世界のひとびとの潜在的疑問と欲求を代弁している。だからこそ恐ろしいのだが。

世界は反省する必要があるのではないか。トマ・ピケティの「r >g」の不等式が示す現実を見て見ぬふり、あるいは学者の寝言だと無視してきたことに。


かつて米国では独禁法が強力な力を持ち、わたしも仕事柄AT&Tの分割問題で勉強した記憶がある。グリーン判事の名をいまだに記憶している。

しかしグローバル化を迎えて独禁法の威力も影を潜めているのではないか。なぜなら米国で独占するほど強い企業が世界で生き残れる現実だからだ。

つまり自国に有利なうちは独占禁止を唱えるが一旦世界的な観点から自国の利益に反するとなるとその経済哲学は鳴りを潜める。国民としては当然だろうなとも思うが、だからこそ誰も手を付けられない金の引力の法則は恐ろしい。


中国の習近平が唱える「共同富裕(ともに豊かになる)」の真の恐ろしさ、つまり独裁国家が人類にとってまっとうな方向に舵をきるという恐ろしさ、歴史の皮肉に気がついていないのだろうか。


トマ・ピケティの「r >g」の不等式では投資家は会社に追加出資することなく、すでに持っている株式により、さらに大きな富を得る機会を得ることをしめしている。

GAFAMや世界最大の資産運用会社900兆円と言われる資金を運用する BlackRockは人材、顧客、データなどのあらゆるものをすでに優位的に獲得している。GoogleによるYouTubeの買収、Facebook によるInstagramやWhatAppの買収、SlackもMicrosoftと争い、最終的にはSalesforce が買収するなど金の引力の法則の実例に事欠かない。そしてそれが不審なこととは誰も思わない。

下記の巨大ファンドが半導体の処理能力の向上、コンピューティングの進化、AIとビッグデータによる価値創造、クラウド化、自動運転、ロボティクス化、イー・コマース化など多方面に投資を行なうことで持続的に勝てることは自明になってきた。


実際に事業の価値を創出するのは働いている人なのだが金の力の方が強い。資本主義の大原則が「お金で労働力を買う仕組み」大きな資本の前には買い叩かれる存在で富は投資家に還元されていくとの説はごもっともだが、根源的になにかがおかしい。しかし誰もなにがどうおかしいのかわからないし、しゃにむに働いている経営者や勤め人はそんなことを頭の片隅にも思わない。引かれ者の小唄と一蹴されるのが落ちだろう。


ビルゲイツ総資産 1361億USD

ジェフ・ベゾス1959億 USD
イーロン・マスク2926億 USD
ベルナール・アルノー1891億 USD

トヨタ総資産62,267,140百万円
三菱グループ総資産432.9兆円
ロックフェラー一族総資産1000兆円
日本個人金融資産1946兆円
日本国総資産1京883.4兆円
ロスチャイルド一族総資産1京円?

世界総資産360 兆 6,030 億USD


「幼年期の終わり」では人類の自浄能力が否定され、宇宙人に究極の救いを求めている。

ソフトバンクの孫さんはAIへの志と「あどけない少女のほほえみ」に浄化を求めながら世界に遅れるなと懸命に走り続ける。ソフトバンクアカデミアを早く設立してプラトンのように根源的問題解決を提起しなければ手遅れになるかも。

人類にとって最適な解をひょっとして提案するのはAIかもしれないがそれを採用するのは政治家であり、彼らをその気にさせるのは宗教的マインドをもつトマ・ピケティのような経済学者だろう。

時は既に切羽詰まっている。

 

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