まさおレポート

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位相のズレが原因で全北海道295万戸停電 システムが上手くやってくれるだろうは危険

2018-09-11 | 日常の風景・ニュース

9月6日未明北海道胆振地方を震源とする最大震度7の地震で被害に合われた方にお見舞い申し上げます。

全北海道295万戸が停電し、位相のズレが原因であったと報道されている。お互いに融通し合う送電グリッド構造では位相のズレは想定範囲内で、解決済みだとばかり思い込んでいたので思わぬ脆弱性に驚いてしまった。本当かなとネットで検索すると次の論文が見つかった。「特にわが国では位相角安定度が送電可能量の制約となるケースが多い。」とある。

(2)系統の位相角安定度悪化問題
送電線の長距離化と大電力輸送は系統の安定度低下をもたらす。電流容量が大きく、
インダクタンスの低い多導体送電方式を用いても、同期機の安定度で左右される運用限
界以上に送電電力を上げることができない。送電限界電力を上げるためには何らかの安
定度確保対策が必要である。特にわが国では位相角安定度が送電可能量の制約となるケ
ースが多い。

名古屋工業大学学術機関リポジトリ Nagoya Institute of Tchnology Repositoryあ
大規模電力システムの安定化制御に関する研究

太陽発電の買い取りなども既に送電システムに取り入れられており、部分的なパワーダウンや位相のズレなど回避するシステムが当然あるのだろうと考えていたのだが、実は上記の論文のように問題があることは専門家では常識のようだ。

他にも、「高度に発達したシステムが上手くやってくれるだろう」との安全だとの思いこみがあるのではないか、実は専門家の間では脆弱さは十分に認識されているのだが一般国民には知らされていない、そのような危険が基盤システムには数多く潜んでいるのではないか、そんな不安がよぎる。メディアもそうしたことはあまり報道しない。メディアには理系の記者が少ないことや幹部にもそうした理解者が少ないためかも知れない。


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