バリのビールといえばビンタンビールで、栓の締め付けがゆるいのか保存が悪いのか気が抜けていて泡が立ちにくい事が多い、そして芋臭いという不満はある。しかし不思議なことに何回かに一度素晴らしくうまいときがあり、日付を確認すると新しい。やはり栓の締め付けに問題があるようで日とともに気が抜け、芋臭くなるのだろうと結論した。
星を意味するビンタン以外にもバリ・ハイ、アンカー 、アンカー・スタウトなどを飲んだが結局ビンタンに落ち着いた。生ビールもビーチのレストランで何回か試してみたが泡が立たないので生ビールが好きな私もさすがに諦めた。観光客は生より瓶を頼むのでどんどん回転が悪くなり味が落ちるという悪循環に陥っている。(それに比べてシンガポールの生ビールのうまかったこと)
なにはともあれ暑いビーチでは冷蔵庫から出したばかりで表面が結露したビンタンビールは見た目も涼やかで、バリでは随分お世話になった。
オランダの ハイネケン にも星マークがあり、実はビンタンビールの赤い星マークにはインドネシアとオランダの確執の歴史が込められている。
1936年からオランダのハイネケン社が東ジャワ州スラバヤ・ビール工場(インドネシア国立)で製造を監督し、その後ハイネケン社は自社で生産し、市場を独占するようになった。
1957年のスカルノ政権はオランダの全資産を没収しハイネケン社はインドネシアから撤去、ビンタンビールとなった。
1967年のスハルト政権でハイネケン社はインドネシアに再参入し、同じ工場でハイネケン と ビンタンビール が売られるようになった。