おせちに飽きた先週は、もつ鍋(福岡在住の7年間に良く行った
「幸」に極力近づけることを家人は目標としている)、
120個の餃子で貧しき肉欲は満たされており
あっさりしたものということで、「湯豆腐」をリクエスト。
「湯豆腐」といえば、南禅寺。かつて楽しみに出かけたが
関東人の私にはえらくあっさりしたもので、
昼間の京都で飲むことを憚ったせいもあろうか
「すごく薬味の種類が多いので目先が変わるのは良い」
という印象。また、こういうことを言うと怒られるかもしれないが
山椒を振るととりあえず京風?みたいな。
すみません。
で、酒の味もわからない頃に、どんな味だろう、と思ったのが
落語「付け馬」にでてくる、朝湯に入った後の湯豆腐。
付け馬とは、吉原で飲んで遊んだ客がお銭
(おあし、足の生えているようになくなってしまうから)が足りなくて、
「帰ってから払うからさ、ね頼むよ」というときに
若い者がついて行って、しっかり回収するよ、というその若い衆のことをいう。
で、その朝帰りの客が
「さっぱりしたいね」
と付け馬を従えて朝風呂に入り、
「下っ腹にすとんときなすったね」
と、湯豆腐を肴に迎え酒をする、そのくだり。
美味そうだな、と思いませんか?
そう思ったら運の尽き、あわれ付け馬の末路は、という噺。
豆腐は結句、水と出汁ということなんでしょうが
酒池肉林的な翌朝には確かによく合うような合わないような。
合併とかで古くからの地名がなくなるのはつまらないものですが
鶯谷とか日暮里というのは、茨城県人には常磐線でなじみ深く、
古くから変わらずに風流な地名です。
この界隈、昔は「寮」というものがそこかしこにあったそうで。
ごついあんちゃんがジャージでウロウロしているような所ではありません。
小股の切れ上がった小粋な姉さんが、ひなびた風情の数寄屋造りに住まう、
平たく言うと旦那に囲われている、そういうお土地柄でございます。
で若かりし頃の私も、鶯谷で夜明かしし、
ぶらりぶらりと歩いていますと
豆腐「笹乃雪」なるお店。付け馬、の湯豆腐だ!
一方で気乗り薄なお連れ様と共に
入店し、朝酒と湯豆腐の夢をかなえたのであります。
当然振られますな。
忠臣蔵の磯貝十郎左衛門、正岡子規との
いわれあるお店だったと、後で知りました。
それから幾星霜、今宵の我が家の湯豆腐は
かつて仲間とキャンプしたときに使ったアルマイトの大なべ。
ここに小ぶりの器を入れて、醤油、とろろ昆布、かつお節
を温めつつ、豆腐、白菜、塩タラが色づくまで煮る。
あとは菊正宗のぬる燗を少々。
豆腐とかつお節と昆布が肝心です。
というようなことをしたり顔で言う奴を
落語では「酢豆腐」
と言いますな。
おあとがよろしいようで。
※
①酢豆腐
通人ぶった若旦那が町内の若い衆に
腐った豆腐を食べさせられるお話。
中学の学園祭で演りました。
ブルージンやモダンラブの流行っていた頃です。
②件の豆腐料理屋の近くには
昭和の爆笑王
林家三平資料館もありますよ!
スターマン、好きだけど
空気読まずに
どうもすみません。
「幸」に極力近づけることを家人は目標としている)、
120個の餃子で貧しき肉欲は満たされており
あっさりしたものということで、「湯豆腐」をリクエスト。
「湯豆腐」といえば、南禅寺。かつて楽しみに出かけたが
関東人の私にはえらくあっさりしたもので、
昼間の京都で飲むことを憚ったせいもあろうか
「すごく薬味の種類が多いので目先が変わるのは良い」
という印象。また、こういうことを言うと怒られるかもしれないが
山椒を振るととりあえず京風?みたいな。
すみません。
で、酒の味もわからない頃に、どんな味だろう、と思ったのが
落語「付け馬」にでてくる、朝湯に入った後の湯豆腐。
付け馬とは、吉原で飲んで遊んだ客がお銭
(おあし、足の生えているようになくなってしまうから)が足りなくて、
「帰ってから払うからさ、ね頼むよ」というときに
若い者がついて行って、しっかり回収するよ、というその若い衆のことをいう。
で、その朝帰りの客が
「さっぱりしたいね」
と付け馬を従えて朝風呂に入り、
「下っ腹にすとんときなすったね」
と、湯豆腐を肴に迎え酒をする、そのくだり。
美味そうだな、と思いませんか?
そう思ったら運の尽き、あわれ付け馬の末路は、という噺。
豆腐は結句、水と出汁ということなんでしょうが
酒池肉林的な翌朝には確かによく合うような合わないような。
合併とかで古くからの地名がなくなるのはつまらないものですが
鶯谷とか日暮里というのは、茨城県人には常磐線でなじみ深く、
古くから変わらずに風流な地名です。
この界隈、昔は「寮」というものがそこかしこにあったそうで。
ごついあんちゃんがジャージでウロウロしているような所ではありません。
小股の切れ上がった小粋な姉さんが、ひなびた風情の数寄屋造りに住まう、
平たく言うと旦那に囲われている、そういうお土地柄でございます。
で若かりし頃の私も、鶯谷で夜明かしし、
ぶらりぶらりと歩いていますと
豆腐「笹乃雪」なるお店。付け馬、の湯豆腐だ!
一方で気乗り薄なお連れ様と共に
入店し、朝酒と湯豆腐の夢をかなえたのであります。
当然振られますな。
忠臣蔵の磯貝十郎左衛門、正岡子規との
いわれあるお店だったと、後で知りました。
それから幾星霜、今宵の我が家の湯豆腐は
かつて仲間とキャンプしたときに使ったアルマイトの大なべ。
ここに小ぶりの器を入れて、醤油、とろろ昆布、かつお節
を温めつつ、豆腐、白菜、塩タラが色づくまで煮る。
あとは菊正宗のぬる燗を少々。
豆腐とかつお節と昆布が肝心です。
というようなことをしたり顔で言う奴を
落語では「酢豆腐」
と言いますな。
おあとがよろしいようで。
※
①酢豆腐
通人ぶった若旦那が町内の若い衆に
腐った豆腐を食べさせられるお話。
中学の学園祭で演りました。
ブルージンやモダンラブの流行っていた頃です。
②件の豆腐料理屋の近くには
昭和の爆笑王
林家三平資料館もありますよ!
スターマン、好きだけど
空気読まずに
どうもすみません。