TV 「還暦のテレビ放送」 TV
国内のテレビ放送がはじまってから、この二月で六十年になるそうである。毎日、朝から夜まで親しくしている我が家のTVは何台目か、すぐには思い出せない。ニュースのアナウンサーやワイドショーのキャスターは隣人のような感じだ。グルメの番組ではご馳走を、旅番組では世界各地を、ドラマではカッコイイ男に熱っぽく口説かれたり、テレビよありがとう、これからも私を楽しませてくださいね。
「60年後もTVは経済装置、社会装置である」と倉沢鉄也(日本総合研究所上席主任)はテレビの未来を展望する。その朝刊の記事を読みながら、私はテレビの朝ドラを見ている。テレビで見た観光地を短歌にしても、二次感動でありよい歌はできないと、近藤芳美先生は何度もおっしやった。たしかにそうだ。テレビは便利だが、限界があるのは致し方ない。
❤❤ 「テレビと短歌~六首」 ❤❤ 松井多絵子
昼すぎのドラマの女も腰かけて窓を流れる雨を見ている
青の時代のピカソのことをテレビにて悪しざまに言うなかれ元妻
テレビには試合の前の選手たち皆が自分を信じているらし
負けるたびその球団の監督の顔をテレビは大きく映す
薄型のテレビに映る信濃路のもみじの道はすぐ行き止まる
シベリアのゆっくり沈む落陽を深夜一時のテレビは見せる
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