「春の紫綬褒章に小池光さん」
春の紫綬褒章に歌人の小池光さんが決定。おめでとうございます。小池光さんは、あらためてご紹介するまでもない大歌人ですが、短歌のことはご存じない方に氏のプロフィールを。
昭和22年6月宮城生まれ 結社は「短歌人」 歌集『バルサの翼』『滴滴集』ほか多数。昨年は
エッシスト・クラブ賞を受賞。「短歌研究5月」より氏の最新の7首を引用します。
春先点描 小池 光
いまにして正岡子規のうた読めば歌詠むうれしさそこにかしこに
アスパラガス茹で上がるまでのときのまに世になききみを強くおもへり
老衰の日に日にすすむ猫とゐてかくれもあらぬ春となりたり
アネモネの真紅の花も散りしかばさびしくなりぬわが玄関は
日光のやまなみ遠く見えながら麦畑の道にゆまりを放つ
お父さん来てくださいと夢の中にてわが子いひたり悲しかりける
庭甕の水を浴びゐるひよどりを子規のまなこにわれは見むとす
※小池氏の講演を何度となく聴きましたが、いつも熱っぽくて魅力的なお話。難しいことをやさしく話される方。この7首も氏の春先のこころの揺れが柔らかく伝わってきますすね。松井多絵子
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