植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

ヤフオク 侮れませんぜ

2020年01月20日 | 雑感
ヤフオクをやり始めてひと月ほどになりました。なかなか面白いものです。

小遣い程度の投資で、あれこれ眺めては書道用品の安物漁りをする程度であります。最初のうちは、愕然とするような代物がいくつか届きました。端渓硯と書道筆を中心に数千円で落札しましたが、使い物にならない安筆、端渓とはおよそ似ても似つかない奇妙な硯などです。素人目にも無価値同然のものしか落とせなかったのですね。

それでも、失敗は明日の糧になります。いくつかの注意点やコツを飲み込んできました。
 まず、誰も応札しないのは要注意、特に最低落札価格が中途半端に高いのはひっかけが多いです。即決価格の設定があるのは、業者さん扱いで、贋作模倣品か、市販されているものと値段が変わらないというようなものが多く、我々素人は手を出さないのが賢明です。サクラと疑わしい入札で値段を釣り上げてくるようなもの、実際出品者自体が自分で落札して、相場を押し上げるというようなこともあります。
 本当に欲しいものは、本来入札間際に最高価格の推移を見計らって、場合によっては競ることが必要になるでしょう。現に、入札がほとんどなく、安心していたら間際にポンと高値で持って行かれることも多々ありました。
 しかし、その時はこう思うようにしています。「真に欲しい人がいるなら、どうぞ、と譲るべし。もったいないような気がしても、所詮ヤフオク見ていなければ存在すら知らない品々であり、無かったもの」とね。むきになって価格競争したら結局高い買い物になります。ですから、最初に入札するときは、自分が最高でいくら、と思った値段の3~5割程度の金額で入れます。時にそれが、他の人に更新されたら、その価格の5割増しで再入札、それでも届かなければ諦める、としたものです。
 そうなると、目利きの人がパッとわかるような価値がありそうな単品は辞めておくことになります。ねらい目は十把ひとからげのセットになっているものです。書道用品ひとまとめ、とか、使用品の半切6束みたいなものです。恐らく、お値打ち品は出品者が、それだけ抜いて単独でオークションに出すでしょうから、残り物をいただくという寸法です。ガラクタや古紙でも中には素晴らしいものが混ざっています。
 もう一つは、骨董品屋さんの出品物は回避です。価値が分かって出品するので掘り出し物が安く出回るわけがない、むしろ高値で儲けられると思った方がいいです。
従って、引っ越しで処分、解体業・リサイクル屋さんからや、遺品整理と思えるような出品を探すのですよ。「書家の遺品・愛蔵品」とかが心躍りますな。

それで、経験値が上がったわたしが落札したお品であります。

端渓硯と表記され、布張りの箱に入ってきました。当然骨とう品とは言えない未使用のお土産品・工芸品程度ですが、ひとまず石眼らしきものがあり、手触りや細工がいいので、端渓のようなもの、として数千円、納得です。


これは、思っていたよりはるかに大きく、見た目でも非常に丁寧な細工が施された品物です。中央の硯は端渓名硯の文字、筆や印泥には、薄く螺鈿もあり立派な箱には「藝苑珍品」の金文字がありました。ワタシの見立てでは硯だけで1万円は下らないと思います。他に手がかりらしきものは少なく、恐らく、昭和の時代頃、中国で買った贈答用の高級書道セットと思われます。ワタシの貧弱な想像では、中国の方が、どなたか偉い方に会うために訪日した時の手土産か、と思います。これで8千円はお安い!今まで損した分をかなり取り返した気がします。が、IRの議員さんではないので100万円は入っていなかったでしょうね。


これは、一部使用した書道関係の古い紙類が段ボール一杯に入ってきました。落札価格は3800円でした。この「石州半紙」と印を押された包みの中に140枚ほどの手漉きの半紙が入っておりました。新品の商品は、200枚で定価3万円ほど!これは本物で、これだけでもとてもお買い得であります。なにしろユネスコ無形文化遺産にも登録されている重要無形文化財なのです。
 ( ↓ この中に在りました。)

残念ながら、これと同じ時期に入札した「人間国宝岩野市兵衛さんの手漉き和紙80枚」は落札できませんでした。本物かどうかは確認出来ません、ペンで小さく包み紙に走り書きされているだけでしたからね。

あー、暇つぶしに持って来いの趣味ではありませんか。(そんなに暇ではありませんが)
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする