植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

気をつける「密」は三つではないのでは

2020年03月26日 | 時事
 まだ、ワタシが現役でバリバリ働いていた頃(笑)、会社の新年度計画にやたらと聞きなれないカタカナが登場するようになりました。イノベーションとかセグメントとかのビジネス用語です。レバレッジドリース、デリバティブ取引など言われるたび、こちらの勉強不足を棚に上げて、日本語で言えや、とかぶつぶつ文句を言っておりましたなぁ。

 お客さんや、会社の人間と話すとき、やたらとカタカナを連発する人がいましたね。小難しい言葉や、耳慣れない英語を使うのは、一つには、自分の優秀さや優位さを誇示する場合が多いように思いますな。私は、あちらの生活が長くて、とかビジネススクールで専門的な勉強しました、みたいな。ま、こちらも分かったようなふりをしてうなづいたりするのでどちらもどっちというところですが。
 もう一つの目的は、論点をずらしたり、相手をけむに巻いたり、都合悪いことををはぐらかすことにある、と感じます。目新しい言葉を使うことで、相手の常識や経験を埒外に置いてよくわからない説明をするのです。IRとかAIとか、最近はやりの言葉を頭文字で呼ぶようになると要注意です。

 武漢肺炎で、政府・省庁関係者が、唐突に横文字を並べ始めました。最初は、パンデミック、これはある程度衆知された言葉なので、さほど違和感はありません。ところが、「インバウンド(海外からの渡航者)」「オーバーシュート(行き過ぎ・感染爆発)」「クラスター(集団感染)」などと言い始めました。マスコミも真似して、報道番組で使いだして、えらく聞きづらい会話をしております。
 さすがに、一部の放送局では気にして日本語に置き換えて解説しています。河野太郎さんも、ちょっとクレーム付けてますね。

 都知事が「ロックダウン」と仰ったのはもう、外国かぶれのこの人の得意技でお約束でありますから目くじら立てても仕方ありませんかな。

 いつも思うのは、人々の会話=コミュニケーションは、お互いに分かりやすい言葉で話すことが大事だということです。相手のレベルや立場・気持ちを考えてその人に適した話をするべきだと。いかに勉強して難しい言葉を知っていても、相手が理解できなければ無意味というものです。平易で簡明な言葉、しかも古来から使われる日本語を用いるのが本来の姿であろうと思います。
 テレビで、したり顔でアジェンダとかコミットメントとかを使う自称識者・解説者を見るとイラっとするひとも多いでしょう。

 いずれにしても、メディアや国民の前で、聴きなれない横文字を連発する政治家や役人がいたら、要注意であります。言葉を弄んで本質を隠そうとしている意思を感じます。
 ここ数日で、急に三つの「密」を避けようと言葉の語呂合わせをテレビで紹介してますね。武漢肺炎にかからないために「密室」「密着」「密集」を避けてくださいと呼びかけています。今回の世界的なパンデミックの原因にもなっています。

 しかしもう一つ大事な「密」を忘れてはなりません。
それは「秘密(内密)」であります。中国当局が謎の肺炎を隠した秘密主義が根源でありましょう。WHOの発表は中国との密談があったに違いありません。習近平さんを招くために多数の中国人の入国を素通しにしたのが感染拡大の主因というのが公然の秘密であります。オリンピックの開催を実現するために、検査を拒み、感染者数を秘密にして少なくみせかけたことも、有効な対策の遅れにつながりました。

 秘密の「密」は、為政者の蜜の味でしょう。国家を維持し国民を守るために「秘密」にしなければならないことはあるでしょう。漏洩が国の安全、利益に損害を与える恐れのある情報を含む行政文書を機密文書(極秘文書)といいますね。

 我が国では、自由に出したり消したり書き換えたりできるそうでありますが。
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ドラッグストアの前に並ぶのはもうやめて

2020年03月26日 | 時事
依然としてマスク不足は深刻なようです。

 以前書いたのですが、普段マスクなどと縁が無かった人が多いのです。それが一斉にマスクを付け、しかも頻繫に取り換えるのですから、供給が追い付くわけないのです。ましてや、もとが中国からの輸入頼みでした。今は逆に中国が足りないくらいで、世界でマスク不足なのです。マスクに限らず、自動車部品や建設関連などの部材も中国からの輸入がストップしているので、国内での生産体制がすっかり停滞しているのです。

  医療関係者すらマスクの供給が満足に行きわたらないと言います。都内では、検査実施数の増加に伴い、飛躍的に感染者数が膨れ上がろうとしています。一歩間違えば「悪夢」の武漢の再現になりかねません。医療現場が崩壊寸前とも言われています。

 少なくとも、消毒用アルコールとマスク等は病院・医療・介護関係に優先して回すように組織的に取り組まないとなりません。それで、ドラッグストアやホームセンターには少しづつ入荷しているようであります。どこでもそれらしい張り紙があって、並べばお一人一パックは入手できるようになりました。しかし、そこには、朝から並ぶ老人の集団が出現しているのです。他にやることが無い早起きの年寄りが大挙してマスク買いに走っております。
 確かに高齢者は重症化や致死率が高いので、心配なのははわかります。しかし、通勤電車で都内で働く現役世代、子供を抱えながらパートなどで生計維持する主婦たちなど、本当にマスクが必要な人たちは、朝から並ぶゆとりもないのですよ。どうしても、人が大勢集まるところに出向かなければならない人のマスクが無く、家で待機し、人と接触することがいかようにも避けられる年寄りがマスクしてどうするんですか。

 マスクで、今回のウィルス感染がすべて解決するとは申しません。それぞれの個人が、常に用心して感染しないように心がける、体調を崩したら慎重に観察し極力人と接触しない、感染が判明したら、絶対人にうつさないよう対策をとる。その自分の努力の中でマスクを有効に活用するのが肝要なのです。
 ワタシは、幸甚にもマスクのストックがありました。納戸にほとんど手つかずに置いてあります。人が大勢いるところに出かけるときだけちょっとして、また翌日使いまわします。ちょっと使ったものは日に干して、アルコール消毒します。この騒動の中、一度もマスクは買いません。どうしても、欲しいという身内や友人にはわずかながらも差し上げています。更に、パニックになるような緊急事態が生じたときに備えて、農薬散布用の化学マスクとゴーグルも取り寄せました。

 今回の武漢熱が教えてくれる教訓はいくつもあります。例えば、物資調達が中国に一極集中することの危険。経済合理性や目先の利得に惑わされて、必要な備えを怠ることの危険。前例や組織の理屈などに拘泥して未知の脅威に対する対応を躊躇する危険。人権や個人の自由も時には制限する必要性。危機が迫っているときに必要な行政からの強権発動、などでしょう。
 あのプーチンさんが国民にこう言ったそうであります「3週間家に待機するか3年間の懲役かどちらか選べ」と。独裁国家がいいとは申しませんが、独裁的に社会を動かせるのはこうした切り札があるからなのですね。
 今年2月初め、もし、総理が3週間、すべての経済活動を停止させ、日本人全員に自宅待機させたら、こんな事態にはならなかったのです。単純計算で、18/366、つまり5%弱の損失・減少で済んだのです。

 真に必要な時、必要なだけあれば良し、無ければそれなりに工夫する。無いものねだりしてもせんないことです。自分が手にできなかったら、代わりに誰かが喜び助かる、その位の心がけも時には必要でしょうね。おじいさんおばあさん、毎日ドラッグストアで並ぶのはやめてね。もし寿命が尽きた時、遺品整理したらトイレットペーパーとマスクが山ほど出てきたなんて悪い冗談ですよ。
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