植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

「暗黒の安倍政権」を継承するのだそうです

2020年09月15日 | 時事
前官房長官の菅さんが、今度の総理大臣に決まったようです。

 歯に衣着せぬ直言、明確な政策理念や理論をもった石破さんを、露骨に叩き退けました。安倍さんの政治に、割合ハッキリと批判的な姿勢をとっていたのが気に食わないのですね。ほとんどイジメに見えました。
 菅さんの基本方針は「安倍政権の継承」だそうです。安倍政権の時に、あらゆる疑惑隠しの片棒を担ぎ、ある時は官僚に、圧力をかけ、コロナ以前にはほとんどの政策に首を突っ込んでいたのですね。

 継続すべき政策や方針は、アベノミクスの継承であり、アメリカを中心に全方位的に仲良くし、格差社会はさらに広げて、足りない分はそのうち消費税をあげるからいい(と本音を吐きました)。当然、桜・森友・加計学園・黒川問題・IR収賄、広島河井夫妻公選法違反などは、安倍政権と同じく、検証もせずうやむやにするおつもりです。コロナですら、今まで通り、特措法を見直すでもなく、自治体任せにして、経済を優先するのだそうです。

 そして唐突に「改革」を口にしました。これは、明白な矛盾でありますな。今までの安倍政権をもろ手を挙げて賛辞しながら、今更縦割り行政の打破など、とってつけただけの俄か公約です。改革を口にするだけなら誰でも出来ます。こういう中身の無い発言を、ワタシ達はちゃんと峻別しなければなりません。

 安倍政権の、残してきたものは既に本ブログでも、いくつか指摘してきました。自衛隊の軍隊化・格差社会の拡大・マスコミの報道統制・官僚の恐怖支配・巨額の負債・増税・円安・法治主義の崩壊など、その弊害は枚挙にいとまがありません。唯一の成果である「安定」を引き換えに失ったものがあまりに大きすぎたのです。例えば、イージスアショアなどという役に立たない無用の兵器を買い、違憲状態にある選挙定数問題は知らん顔して、議員数を増やしました。やりたい放題・無法状態であったのです。国民はそれに目をつぶり、あるいは気づかず、隠されています。

 「仕方ないよね」、と思考停止に陥った国民のなんと多いことか。

 あれだけ、社会的な問題になったのに、その張本人の後釜は同じ穴の狢ですから、自民党とその支持者たちは、安倍政権が正当で素晴らしいと思っているということなんでしょうね。

 総理大臣は間接選挙で選ばれますから、ワタシ達が選ぶわけもなく、政権を握り続けている利権集団の自民党の意のままにこの国の指導者が決まります。政権は、公明党との選挙協力があると、ほぼ政権交代出来ない制度に改変されました。政権にとって都合がいい時(選挙に勝てる情勢で)解散・選挙をするので負けようもないのです。
 自民党以外に投票しようにも受け皿がなく、拮抗した得票数でも、少しの差で自公連立候補が総どりするので、批判票はそのまま死に票となって、圧倒的与党の多数という結果になります。
 民主主義などもはや形式だけなのに、誰もそれを咎めようとしません。今のままだと、未来永劫自民党が政権をとり、某宗教団体の意向が反映され、口封じされたマスメディアと、人事権を握られ反抗出来ない官僚が、行政情報を隠蔽し捻じ曲げ、政権の正統性を国民に宣伝する(プロパガンダ)、ことになりました。

 菅さんは、政権の方針に異を唱える役人は「異動してもらう」と公言しています。これこそが、今までの安倍政権の本質であり、この菅という人物の成り上がりに必要だった行動原理なのです。社会正義を重んじ、きちんとした意見を述べるものは、同じ自民党の政治家であっても、優秀な官僚であっても、正論を唱えるマスメディアでも、排除するのが安倍さんや菅さんのやり口ですね。

 今回、三人の総裁候補者の「揮毫」が紹介されています。朝日新聞で紹介されていました。

酷いもんです!
その文言はともかくとして、字の下手なこと!そこらの下々の人間とは訳が違うんですよ。それが、汚い字とさえ言えるほどのお粗末な代物でした。ワタシの知る限り、大物政治家さんや総理経験者は達筆の方が多く、堂々とした書が多くあります。
 戦前戦後、政治家たるもの書道は必須、当然のたしなみであったろうと思います。たとえ悪筆であったとしても、味わいや趣のある書をものしていただろうと。このお3方は、きちんと帝王学を学び、総理総裁としての素養と求心力、人を引き付ける魅力などを身にまとうことが出来ていないと感じました。

 テレビ討論、就任会見などを見ても、総理大臣になる準備が整っているとは到底思えません。少なくとも菅さんは、ついこないだまで総理になることなど、考えても居なかった、というのは本音だろうと思います。風貌はともかく、言葉には風格や品格、教養が感じられません。
 会社の総務部長が、いきなり代表取締役になったような雰囲気で、自信のないたどたどしい口調で、一国のリーダーとしては心もとない印象を覚えます。政策全般に通暁しているのかは存じませんが、明確な国家像や、向かっていくべき理想・理念を培っているようには見受けられません。あくまで、つなぎの総理代行であれば致し方ないのかもしれませんが。

 残念ながら、ワタシ達国民は好むと好まざるに関わらず、自民党の老人たちがこそこそと決めた出来レースで選ばれた風采のあがらない総理を仰ぎ見るしかありません。それは、とても不幸なことではなかろうか、と思いますが、違いますかね?
コメント
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