植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

「特別」な扱いをする不公平さ

2020年09月26日 | 時事
元人気グループのタレント山口君が、酒気帯び運転で逮捕されたそうです。夜中まで酒を飲んで、朝バイクを運転して物損事故を起こしたもので、日本中で日常的に起きている(推奨するわけではありません)交通違反であります。
 
 ワタシら一般の人間にとってはどうでもいいレベルの話なのですが、芸能人は「特別」と見えて、ワイドショーやら報道番組では盛んに取り上げられています。メディアにとっては、ニュースソースとしての価値があるからなんでしょうね。違和感を覚えるのは、警視庁(検察)の対応です。即座に逮捕し、釈放を認めずに勾留延長申請しました。裁判所が却下(当たり前でしょ)したら、準抗告しましたが、これも棄却。すると、いきなりガサイレ(自宅の家宅捜索)したそうであります。
 
 たかが、飲酒運転で、逮捕して勾留が必要で、自宅を捜索するものなんでしょうか。何か、検察がむきになっているように思えます。「一罰百戒」で飲酒運転撲滅を進めることには異存がありませんが、どうにも腑に落ちないのです。

 例えば、あの上級国民「飯塚某」は、池袋で二人の母子をひき殺しながら、逮捕されませんでした。起こした責任をプリウスに転嫁し、のうのうと自宅療養しておりました。この方は、東大を出て通産省の官僚を務めていたそうです。在職中の功労でなんとかという勲章をもらったとか。研究者として役人として貢献したそうでありますが、税金から給料を貰って優雅な研究所暮らしをしていた高級官僚にしか見えません。功労があったとすれば「上級国民」という新語を世の中に広く知らしめたということでしょうか。
 逮捕されなかった理由は後付けでいろいろ言われますが、早い話「特別扱い」であったということでしょう。奥様も取材が迷惑だと拒否、被害者感情を逆なでしました。息子さんが現職の官僚といううわさもありますな。

 山口と言えば、ジャパンライフの元会長、山口さんは、マルチ・まがい商法を50年近く続け、2千億円の被害額を出したのに、つい先日まで逮捕されませんでした。何十年も前からとっくに被害が出て告発されていたのに、検察は動かず放置し続けていたんですね。これも山口氏が、何度も桜を見る会に招待される政治銘柄「特別」な人物であったからなのです。

 特別な計らいを受けたのは元検事長「黒川さん」。安倍政権でおきた、数々の贈収賄・公選法違反・公務員法違反・公文書隠滅などを片っ端から不起訴という特別対応をして、特別扱いで定年延長を認められた検察トップです。自分は「違法」な賭け麻雀をすっぱ抜かれ、辞職いたしましたが、検察は捜査もせず、「素直に事実を認めたので」不問に付しました。退職金だけは、特別扱いされず普通に支給されたようです。
 理由は、テンピンという低いレートで、常習性が無かったから。(笑) コンビニやスーパーでたとえ100円でも万引きしたら書類送検されます。

 こうした一連の官憲の姿勢を見るにつけ、恣意的に法を運用し、起訴や逮捕をする判断の権限がここに集中することに問題があるように思います。広島の河井夫妻の買収事件も(公職選挙法違反)渡された側には、嫌疑をかけないようです。法律では貰った側も違反行為で公民権停止などになるはずなのです。
 少なくとも、懲役・実刑があるような犯罪・刑法に抵触する疑いがある事件・疑惑は、必ず逮捕・捜査するという原則を貫くべきなのです。立件しないこともあり得るのですが、その場合は法や規範に基づき公正な判断のうえで立件しない理由を公示すべきです。裁判で負けるかもしれない、という理由は通用しません。また、取り調べの可視化、と録音も不可欠ですね。
 
 不公平で法律無視の事態が続くと、一般市民も、段々法を順守するという当たり前のことが馬鹿らしくなり、法を犯すことに抵抗が薄れる、ということになりかねないのです。

 冤罪や自白の強制を無くす意味でも、検察や警察の在り方を見直さないと、不公平な特別扱いも犯罪も無くなりませんよ。

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