本ブログはスタートから「園芸・植物」をメインとしたのですが、毎日菜園やお花の話では能が無いと、書道や篆刻、スポーツに時事ネタと広げるうちに何が何やら分からなくなっております。いつのまにやら、その更新した雑文は1300回を超え、原稿用紙なら6000枚以上でしょう。(大した自慢にもなりませんが)
書いたものを片端から忘れていくので、その内容の大半は重複しているのでないかと恐れております。しかし、過去は振り返らない、昔の拙文を読み返すという愚は繰り返さない、としたものであります。それにしても、お陰様で、毎日150人前後の方が覗いていく、という中堅のブログに位置するようになったのではと自負しております。この場を借りて感謝の意を表するものであります。
3日前、今年たしか5回目の「ぼかし肥料」を仕込みました。毎年、数回ぼかし肥料を作っているので、改めてどうということもなく、興味のある方は本ブログの植物を検索すると(多分)何回も出てきます。ともかく、有機栽培・農法を標榜するならこれに優る肥料はありません。安い材料を使って非常に効率と効果が高い自家製の万能肥料であります。効き目が強すぎて、弱い根や野菜苗は肥料やけを起こして枯れることがあるくらいなのです。
作り方は簡単、大きめのバケツでもプラ舟でもなんでもいいので、使い残しで古くなったたい肥や腐葉土などの有機材に、タダ同然の米ぬかや油粕などを混ぜ込んで発酵促進剤を投入し、1週間ほど毎朝撹拌だけのことです。これに、抜いた雑草、枯葉・野菜くずなどを乾燥させたのを投入してもいいです。
ワタシの観察では、こうした菌の活性化には適度な湿度・水分と気温が必要になります。バラにせよブドウにせよ、悪さをするウィルス・病原菌は梅雨の頃に活性化し、春以降に雨が降ると、眠っていた菌が偉い勢いで分裂増加し「黒星病」うどん粉病、ぶどうの黒糖病などを発症します。幹や茎・葉が濡れているとその表面を拡散していくのです。
発酵菌もまたしかり、材料を握ってもほろほろと崩れる程度、あるいは耳たぶの硬さになるくらいの水分(あくまで控え目)に止めます。ちょっとでも多くなると発酵ではなく腐敗に進むのです。腐ったら肥料に不適と言うだけでなく悪臭が漂い、ハエなど様々な虫が卵を産み付け蛆が湧くのであります。
ここのところの冷え込みが11月並みの気温続きだったせいで、発酵が始まるのに二日かかりました。寒い時期なら、手を突っ込んで「ぬくぬく」してきたらしめたもの、翌日には60℃くらいの発酵熱が出て水蒸気でもうもうとします。1日に1,2回丁寧に混ぜ水蒸気が容器の内側の縁に溜まって濡れないようにします。(これが腐敗・虫発生の根源となります)
発酵が進むと、黒褐色・茶褐色だった生地が徐々に灰のように白くなっていきます。そして手を突っ込んでも外気と変わらなくなったら出来上がりであります。市販されている総合的な有機肥料に比べると半分以下の値段ですし、ネット販売のぼかし肥料を買えば10kgで大体1,500円という高級肥料なのです。
そこで取り扱い上の注意を致しましょう。
①自家製のぼかし肥料は、他者に販売できません、下らぬ「肥料取締法」で禁止されていて罰則があります。
②ぼかし肥料は効き目が強いので、野菜の元肥は避ける、バラには株元から50㎝以上離す。
③濡れると腐るし、虫は湧くし、臭くなるので、出来上がったぼかし肥料は、保存しないでとっとと使い切る。
これを使ってやってる我が狭小菜園であります。大根・ジャガイモ・キャベツにブロッコリー、玉ねぎとにんにくが育っております。
狭いながらも楽しい(美味しい)我が畑です。